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こぼれ咲くノウゼンカズラ
今日も元気いっぱい(曼荼羅寺)
明日は夏越、というか、明後日からいよいよ長く厳しい本格的な夏・7月に突入です。 9時半、前回最後の曼荼羅寺で朝一番のお勤めをし、10時、次へと進みます。
前回(6月9日)野菜が植わっていたところが水田に様変わり、早苗田が広がっています。 13日には、満濃池も豊稔池もゆるぬきがされたそうですから、その水が田んぼに引かれたのでしょう。水田で育つ稲は初夏の風物詩、心安らぐ日本の風景です。
涼しい木陰に入ります
甲山寺本堂
ということで、田園地帯を3.4キロ、40分ほどで74番・甲山寺(こうやまじ)に到着しました。 寺号は、山の形が毘沙門天の甲(かぶと)に似ていることから付けられたとか。 西暦818年、築後115年にして堤防決壊した満濃池の修復を下命された弘法大師は、821年、当寺で工事完成祈願の秘法を修し、薬師如来像を刻み安置してから工事に入り、わずか3ヶ月で完成したと伝えられています。
ナツツバキ
ヒルガオ
甲山寺から次へ向かう道中に「仙遊が原」という道標がありました。 「仙遊寺は伊予の山の中だった、そうそう、あの時は雨に濡れてしまった、はぐれた人もいたのだった」などと過ぎたことを思い出しながら歩きました。 また、「犬塚」の案内板もありました。
ヒマワリ
善通寺中門
なんで「仙遊が原」なのか? どこに「犬塚」があるのか? どうした犬なのか? さっぱりです。 帰宅後調べたところによると、お大師様が「真魚(まお)」と呼ばれていた幼少のときよく遊んだところが「仙遊が原」で、飼い犬を埋葬したのが「犬塚」だそうです。
で、甲山寺から1.6キロ、20分ほどで75番・善通寺(ぜんつうじ)に。 わき目もふらずひたすら歩く(?)ので、予定より40分も早いペースです。 道路右側の大きな仁王門のほうへ行こうとして「左!」と注意されました。
勤行
善通寺五重塔
楽しい張り紙
境内の宿坊で昼食後、御影堂地下の「戒壇廻り(かいだんめぐり)」をしました。 どんなに眼を凝らしても何の光も見えてこない真っ暗闇、極楽浄土への道すがらだとか、左手で壁を触って行くべき方向を知るだけの89メートル。 「南無大師遍照金剛」と唱えながらでないと怖くて歩けません。
善通寺御影堂(大師堂)
金倉寺本堂
やがて現世に戻って、次へと進みます。 本堂・五重塔に別れ、赤門から市街地へ出、国道319号へ出たところ、前を歩いていた一行の姿がどこにも見えません。 後方の一団・10人ほどは、最終日程表裏面の地図の道、3.9キロを1時間で歩いて、76番・金倉寺(こんぞうじ)へ。
程なく先方の一団・20名が到着。 途中から2組に分かれて別の道を歩いたという珍事態でした。 金倉寺本堂には願供養念珠という巨大念珠がぶら下がっており、引っ張って回すと「バチバチバチッ」と大きな音を立てます。 やたらと大きな音を立てたい気分のときは、この願供養念珠は良いかもしれません。
願供養念珠
道隆寺仁王門
金倉寺から3.9キロ、約1時間で77番・道隆寺(どうりゅうじ)です。 境内の至る所に観音様が並んでいます。 本尊の薬師如来は「眼なおし薬師さま」で知られているとか。 境内には新たに建てられた「眼なおし薬師さま」の他に「愚痴きき地蔵さま」もいらして、時間があれば聞いてもらいたいこともあるのに・・などと愚痴ったことでした。
帰りのバスが予定より40分も早く出発しようとしている所へ、ネットのお友達、ラケットさんが訪ねてきてくれました。 いっぱいお話もしたかったのですが・・。 善通寺IC近くの「レディネスあくあ」で入浴後、雷鳴があり大粒の雨が降りだしました! この雨がどうか恵みの雨になりますように!
本堂とたくさんの観音様
愚痴きき地蔵様
7〜8月は夏休みで、次回は9月7日、道隆寺〜78番・郷照寺〜79番・天皇寺〜鴨川駅東です。 娘遍路