高知の祭り

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施餓鬼舟  (H16.8.16)



吉野川 川原に飾り付け


飾り付け


8月16日に大豊町東土居地区の「施餓鬼舟」を見てきました。


徳島や愛媛との県境の町・大豊町は、吉野川を真ん中に東西に山が広がる、大自然そのものの山峡の町です。

長い歴史を絶えることなく、今回の「施餓鬼舟」のほか、「古式ゆかしい矢始・矢納の礼 百手」や500年の伝統をもつ「土佐神楽」など、伝統行事が保存されています。



「施餓鬼舟」は、町の無形民俗文化財に指定され、各地域(9地区)ごとに、旧暦7月16日(新暦の8月16日の地区もあります)吉野川などを舞台に行われます。


「施餓鬼」とは、悪道におちて飢えや渇きに苦しんでいる亡者に飲食を施す法会のことで、「施餓鬼舟」は川施餓鬼に出す舟のことを言います。

祈りを捧げる人々


千体流し



東土居地区では、豊永駅近くの吉野川川原に灯篭や提灯を飾りつけ法会を行います。


定福寺の住職さんと一緒に御詠歌を唱えたり、千体流しをしたりします。


あたりが暗くなり始めると提灯に灯が点され、川上から「施餓鬼舟」が大小二つ流されてきます。


大きな舟は、ドラム缶を合わせたものに、10メートルもある竹を立て、枝に提灯をいっぱいつけています。


千体流し


ずうっと川上から施餓鬼舟が流されます


施餓鬼舟


暗い川面に、施餓鬼舟の提灯の灯りがゆらゆら動きながら流れるさまは、胸を打つ美しさです。

瀬や岸に掛からずに、無事に流れていくことをみんなが見守り、行事はお開きになります。


若い衆が戦争に行って居なくなってから、当時、中学生だった時からずっと飾りつけなどの世話をしてきたという方とお話しすることが出来ました。

「こうして川を祭ってきたからでしょう、この地区で水に溺れた人は一人もいません。」

「灯篭は数万円はします。あの、金色をした飾り付けのある灯篭などは、ン十万するかもしれません」

「舟を作る竹を用意するのは区長さんがやってくれましたが、大変な作業です。」



                

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