高知の祭り目次
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投げられた鳥毛棒
山道を進む練り
秋葉神社の祭神は、火産大神(ほぶすなのみこと)、防火の神様です。 平家の落ち武者・佐藤清岩が遠州(森の石松のふるさと?)の秋葉山から勧請したものです。 最初は岩屋で祀り、次いで法泉寺、その次に関所番市川家で祀られたのち、1794年に現在の秋葉神社にご遷座。
そのときに、ゆかりのある「岩屋神社」「市川家」「法泉寺」「中越家(庄屋)」にご神幸をすることを決めて以来、200年以上続けられている伝統のお祭です。 本村・沢渡・霧之窪の3地区からなる練(ね)りの一行は総勢約200人。 「トントンチキチ、トンチキチ」 朝早く岩屋神社を出発した役員・役者の一行は、山里に鉦や太鼓、ほら貝の音を響かせながらゆっくり進んでいきます。
踊りながら進む行列
祭りの盛り上げ人・油売り
各ゆかりの場所では、神楽・太刀踊り・鳥毛ひねりなどをフルコースで奉納しますし、道中でも祭りの花形・鳥毛ひねりや、神輿の豪快な揺さぶりを見せてくれます。 また「ホホホ〜ィ」と奇声を上げながら随所で行われる油売りの愉快な売りっぷりに見物人からは大きな歓声が沸きおこります。
上から見た一行と茶畑と観光バス駐車場
<鳥毛ひねり>
火消し装束の若者二人が一組となり、踊りながら長さ7メートル重さ8キロの鳥毛棒を10数メートル先へ投げ、相手方がこれを飛び上がって受け止めるというもの。 4キロの山道を歩いてきた練りが最終の秋葉神社へ到着するのは午後2時頃。 山の斜面に作られた見物席はいっぱいの人です。
子供達の太刀踊り
神輿と油売り
全ての役者達の最後の見せ場です。 ここでお神輿を神殿に入れるのですが、神輿のお宮入りはなかなか許してくれず、担ぎ手達は最後の力を振り絞って懸命です。 「キョーサー、キョーサー」の掛け声をかけながら豪快に神輿を揺すり、何度も突入を繰り返した後、ようやく宮入りを許されると固唾を呑んで見守っていた見物人は盛大な拍手で労をねぎらいます。
過疎が進み、いつもは静かなムラですが、秋葉祭りの日は観光バスなどでやってくる人でいっぱいになります。 今年は、町村合併で仁淀川町になってはじめてのお祭でした。 役者達の衣装や面も新しくなっていたようでした。
秋葉神社の前は大賑わい
祭りを見に来た吉村教授
「アレッ? 吉村さんでは?」 そう、テレビでよく見かけるエジプト考古学の吉村早稲田大学教授も一行と一緒に歩き、祭りを熱心に見ていました。
翌日の高知新聞によると教授は「秋葉さんは日本文化の缶詰みたい」(要約)だと絶賛していた、とか。 秋葉祭りは既に「全国区」だと思っていましたが、このように日本の文化として評価してもらえるのはうれしいですね。 この祭りは高知県の無形民俗文化財に指定されています。 麗
棒の先の鳥毛には長尾鶏の羽が使われるとか