高知の祭り

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高知県土佐町宮古野 虫送り (H17.6.20)



虫送りの行列



酪農と養蜂の里


「虫送り」は、稲の虫除けと豊作を祈願する古来からの伝統行事です。


宮古野地区では、6月の虫除けのために、塚の日(6月20日)に虫送り行事を行います。


長さ1メートルの大ワラジを担ぎ、太鼓・ほら貝などの鳴り物を鳴らして、「サイトコベットコサイノボリ 稲の虫は西へ行け」と掛け声をかけながら、田んぼの畦道を練り歩いた後、神社に参拝します。


保育園の子供たちも一緒に歩きます



オサバイ様も祭られています


この日は、田植えが終わった農家の骨休めのための「田休み」も兼ねています。

「田休み」には、各農家の苗床にオサバイ様を祭るのですが、この日は田植えのすんだ田にもオサバイ様が祭られます。

鮮やかな2本の旗を立て、お神酒・米・雑魚・柴もちを供えます。


神社へ参拝の後は宮古野地区集会所の庭で「伝承の里踊り(好きな女性への嫌がらせの踊りだそうです)」が披露されます。

炎天下、中腰での踊りは長くても4〜5分しかできないとか。



神社へ到着です


長い参道と鳥居の向こうに「白髪神社」



神殿は非常に古い建築物です


この日はラジカセの調子も悪く、楽しみにしていた踊りは1分くらいだったでしょうか、あっという間に終わってしまいました。 ところで、古来からの伝統行事というのは?

「サイトコベットコサイノボリ 稲の虫は西へ行け」

その意味は、この掛け声に隠されています。



平安末期の武将「斉藤別当実盛(さいとうべっとうさねもり)」は源氏に仕えた越前の武将でした。

ところが、源氏の非道さに嫌気がさして、後に平家に仕えることに。

源平合戦中、木曽義仲の奇襲を受け、加賀の国で、稲の株に足をとられて討ち死にをした実盛の怨念が虫になり、履いていたワラジから出て稲の害虫になり、その後何年か凶作が続いたそうです。

大ワラジを神社の裏手に安置



炎天下での里踊りが始まりました



腰使いも面白おかしく踊ります


そのため、義仲は、自分が子供の頃に世話になった実盛の供養と、豊作祈願のために虫送りを始めたということです。

虫送り行事でワラジを作るのも実盛の供養のためだそうです。



神社の杉大木の木陰


人間と虫との付き合い方は、ラジコン飛行機で農薬を空中散布する現代とは異次元の感がします。


                  


国道沿いにあったワラジとノボリ



道中の光景



棚田が広がる山道(本山町)



黙々と農作業(本山町)


虫送り行事が終わった後、本山町から穴内ダムを通る山越えの道(30キロ足らずでしょうか)を土佐山田町新改方面へ走りました。


棚田風景や道端の草花に心惹かれる山道でした。


              



ユキノシタ


ヤマボウシ



マタタビ


ハンカイソウ


ウツボグサ


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