高知の祭り

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東津野村北川地区 河内五社神社神祭(北川神楽) (H16.11.15)



川内五社神社(北川地区)


神社下の美しい紅葉

国道56号の「かわうその里須崎」から新庄川沿いに国道197号を北西に40キロほど山地に入ったところ、天狗高原の麓に東津野村はあります。

東津野村の手前にある布施坂は、人泣かせの難所であったといわれます。

転勤でこの坂にさしかかった人が、「この坂を行かねばならないのなら退職したほうがまし」とさえ思ったというほどでした。

今では国道が整備され、かつての難所のイメージは払拭されています。


さて、その東津野村では、10月最終土曜日の力石地区から始まって14地区で次々と神祭(秋季大祭、秋祭り)が行われます。


ここの神祭の特徴は、神殿で奉納される「津野山古式神楽」です。

5地区では毎年、その他の地区では随時、古式神楽が奉納されます。


神殿内での宴会


地元の少女たちによる浦安の舞


特に、北川・高野・芳生野の3地区では「土1升」の願掛けをしているとか。

「たとえ私達の地域の耕す土が1升になったとしても神楽だけは絶やしませんので、どうか私たちをお守りください」という願掛けをしているので、必ず毎年、神楽を奉納しているということです。

「土1升」については、「土1合」ともいわれたとか、「土一期」が本来のものではないか、という人もいます。

「土」は「あまつち(天地)」の「つち」、「一期」は「一期一会」の「一期」。

「この世に生を受けた今を目いっぱい大切に生きるために、天地の神々に神楽を奉納しますから、どうぞ私たちを守ってください」と解釈してみたらどうでしょう。

すばらしい「心の伝統」ではありませんか!


悪魔祓い


大蛮


ところで、15日は、午前11時頃から神殿内に地区のみなさんがあつまり、舞台の神楽を見ながら神祭を祝い賑やかに宴会をします。


私ども部外者にも、神殿内に入れてもらえるだけでなく、時にはお神酒やご馳走を振舞ってくれたりと、全く分け隔てのない歓迎をしてくれます。

津野山古式神楽(国の重要無形文化財)保存会のメンバーが、「宮入り」から舞い始め「禊祓詞(みそぎばらいのことば)」「幣舞(へいまい)」「手草(たぐさ)」「天の岩戸」「悪魔祓(あくまはらい)」「大蛮(だいばん)」「花米(はなよね)」「二天(にてん)」「山探し(やまさがし)」「弓舞い」「鬼神退治」「猿田彦(さるたひこ)」「長刀(なぎなた)」「折敷(おりしき)」「妙見(みょうけん)」「豊饒舞(ほうじょうまい)」「鯛つり」「四天(してん)」と、全18節のうちの幾つかを選択して奉納します。


氏子の奉納


神様と大蛮の問答


全てを舞い納めると8時間もかかってしまうので、適宜、チョイスし、さらに省略もして3〜4時間を舞うところが多いようです。


部外者に人気があるのは「天の岩戸」の天照大神、「大蛮」の赤鬼、「山探し」の般若、「鯛つり」のおひねりでしょうか。


鯛つりの糸にはおひねりが!


エキストラが登場して鯛つり


4時間も神殿に座って神楽舞を見るんですか?と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。でも、本当にあっという間に時間が経ってしまいます。

「鯛つり」の釣り糸が投げられるのが待ち遠しく感じられます。



            


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