高知の祭り

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高知県大豊町永渕 永渕神社祭・永渕神楽 (H17.10.20)(旧暦9.18)



永渕神社祭の百手



永渕の里


豊かな自然と伝統行事がたくさん残されている
大豊町です。

10月20日は永渕地区で永渕神社祭が行われました。

永渕は、国道32号の豊永を2キロほど行きすぎたあたりを左の山に入ったところです。

ここは桃原地区と隣接し、桃原同様、古くからの百手(弓祭り)と神楽(国の重要無形民俗文化財)が伝承されています。



永渕神社は山中にありながら「三宝御崎海津見神社」とののぼりが立っていましたので、不思議に思い、地区の方に聞いてみると、則倉佐仲が京都から定住して開いたもので、琵琶湖のほとりに同名の神社があるのでその縁故から付いた名前ではないか、とのことでした。



集まってくる射手たち



百手(1008矢射るという)


大豊町は高知県でも有数の高齢化地区、古式行事の伝承はご苦労もあるようですが、誇りを持って継続されている様子に感動を覚えます。

また、小学3年生の少年が神楽舞の伝承にかかわり、地区ただ一人の継承者として、みんなの希望と暖かいまなざしが注がれています。



神社祭は、従来、神祭の祈り神霊を迎えた祷屋(とうや)に神主を招いて酒宴を開き、その後で庭先で神楽を舞っていましたが、今では、永渕神社神殿で祈り、地区の集会所で酒宴となります。


後方では記録



前方では審判


午前10時頃から、百手のために、次々と裃姿の弓の射手が集まってきます。


以前は12人の射手が1008本の矢を射たそうですが、人が足りないのか、今は8人になっています。



すぐ近くでもそれぞれに扮装



射手のほかに、記録係、審判係、太鼓係がいます。



見事的中したら太鼓が打ち鳴らされます。

正午、厳かに行列は集会所へ



午後1時、神社へ帰ってくる一行

百手が進んでいるとき、神殿では神官さんによる神祭の祈りが行われ、正午には、全員打ち揃って集会所での酒宴に向かいます。


神殿から数十メートルほどの距離ですが、10数人と小さいながらもおなばれの行列です。




山の暮らしで鍛えた腕に覚えあり


午後は百手の続きをし、小的を見事に的中させた射手が賞金1千円を獲得し、百手は終わります。


そして引き続き、3時から神楽が始まります。




人々の暮らしに溶け込んだ郵便やさん


小的に的中、賞金をゲット



射場は神楽舞台に早代わり、長老の挨拶



神楽舞


神楽の演目は22種類もあるそうですが、動きの早い舞は伝承者の年齢からも相当な負担となるようで、この日は、奴幣の舞(のさのまい)、長刀舞(なぎなたのまい)、双刃操舞(もろはそうぐりのまい)、大皿舞(へぎのまい)、獅子舞(ししまい)の5演目が奉納されました。



神楽舞


神楽舞



少年の舞う大皿舞(へぎのまい)は、くるくると舞い、何度も転がったりしましたが、両手に乗せたお盆を一度も落とすことなく上手に舞い終え、ひときわ大きい拍手が送られました。



            


神楽舞(小さな後継者)



神楽舞


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