高知の祭り目次
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山探し(オオトビデという面)
大鳥居の向こうが神殿
津野町の旧東津野村地域では、10月の終わりから11月にかけて、10数箇所の地区で神祭が次々と行われます。 神祭には、津野山古式神楽(「土佐の神楽」9件のひとつとして国の重要無形民族文化財に指定されています)が「土一期」に奉納されています。
津野町・西庁舎のある新田(しんでん)から国道197号線を梼原方面へ3キロほど進んだところに開けた「宮谷(みやだに)」地区。 地区の谷には、古くには、20〜30ものお宮があったそうで、地区名の由来になっているようです。そのたくさんのお宮を集めたのが宮谷地区の氏神様「大元神社」です。 山を開いて田畑を作り、良く手入れされた茶畑が美しい宮谷へ11月18日に行って来ました。
山の斜面に広がる茶畑
200年舞い続けた面
ガラス戸、火鉢、燗筒・・・ 時間がゆったりと流れます
宮谷では神楽の17の演目のうち「花米(はなよね)」と「山探し(やまさがし)」が奉納されます。
その昔、地区に起った災害を鎮めるために「花米」と「山探し」を「土一期」に奉納することになり、紀州へ神楽面を買いに行き、帰りの海が荒れ、買った2個の面のうち1個の面は隠し持ち、1個を海に投げ入れると海が静まったとか。 無事持ち帰ったその面で、200年もの間、「山探し」を奉納し続けたのですが、近年傷みが激しく、平成15年からは、新しい面を使用しているそうです。
神前は七五三の子供達
花米
由緒あるその面は、地区の宝として大切に保管され、神祭の日には、神前に祭られています。 今回、お願いして、写真に撮らせていただきましたが、200年を舞い続けてきたことを思うと、感無量でした。 また、46戸という小さい世帯で神社を維持していることを思うと、人々の胸に今も生き続けている「土一期」に思いを致さずにはいられませんでした。
山探しは黒い羽織を被って登場します
翌朝の宮谷の上の山