高知の祭り

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夜須八幡宮・百手祭 高知県香南市夜須町 (H19.1.21)


烏帽子素襖姿の射手



神事とお参りに訪れた人


1月の卯の日と翌辰の日に行われる夜須八幡宮の百手祭が今年も1月21、22日に行われました。

荘園時代からの1000年に及ぶ歴史を持つ夜須八幡宮。

新年の弓祭りとしては高知県の三大弓祭りのひとつとされる、歴史ある百手祭です。



その昔は行われていたもののうち、近年は、「お籠り(卯の日まで何日間か、通夜堂に籠り精進潔斎すること)」「潮垢離(前日、浜の潮で身を清めること)」「水垢離(当日、境内の井戸水で身を清める)」などで省略されているものもあるようです。


生姜湯が振舞われます 



矢台に神矢を渡して的に向かい拍手


当日朝から祈念祭が行われ、百手祭挙行・天下泰平・家内安全・五穀豊穣が祈願された後、射場入りし、弓行事が始まります。

矢台(1名)は、裃(かみしも)姿、12人の射手は烏帽子・素襖(すおう・侍の礼服)に長袴といういでたちです。



先ずは、矢台による神矢の矢振りによって、12人の射手の射順が決められます。


次いで射番、1番6番12番の3名による弓塚祭(三三九度の盃)です。


矢台による矢振り



矢振りで決まった射順に着座



三々九度の杯事


弓塚祭に当たったものは、手の位置から動かし方・足の位置から運び方・顔の位置から見る方向・歩き方から回り方などなど、祭りの作法が細かく定められていて、作法に詳しい矢台さんの指導を受けながら進められます。



弓塚祭の次はいよいよ射手による射芸に入ります。


一度に6人ずつ交代で並び、2本ずつ、25回、大的を射たあと、的がダイダイ(みかん)に代わります。

そして、再度、矢台による神矢の矢振り、三三九度の盃が行われ、次の射芸になります。


弓塚祭の芝



的と矢取り


的は「鬼」「小的」と移り、弓を引き絞ったところで中止する「生矢(なまや)」で1日目を終わり、2日目は、射手の服装が裃姿となり、前日の続きを射続けます。

というように、神社・氏子・射手によって伝統をよく守っている夜須八幡宮・百手祭ですが、お参りや見物の人が意外と少ないのが気がかりです。



香南市のいくつかの文化遺産のうちのひとつとして、どうか大切に守っていただきたいと思っています。



          


2日間延々と射芸が続きます

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