高知の祭り目次
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夜の港で繰り広げられる潮ばかり
神事
海の神様である竜神に今年の豊漁と集落の繁栄を祈願して、今年も野見の「潮ばかり」が行われました。 このお祭りは、旧暦1月14日の深夜、干潮時にあわせて行われるものです。 野見漁港の広場に、あらかじめ、びっしりと短冊を飾りつけられた10数メートルの根っこ付の大竹が立てられています。 午後10時頃から大竹と祭壇の前で、厳かに神事が執り行われます。 神事が終わると大竹は降ろされ、20人ほどの男衆に担がれて「潮ばかり公園」前の浜へ練っていきます。
10メートルほど進むごとに、「エイヤ、エイヤー!」と気合を入れ大竹を地面に激しく叩きつける悪霊退治の「地搗(じつき)」をします。 その間、長老は朗々と木やり唄を唄い、見物衆は揺すられた大竹から落ちる短冊を競い合って拾い、福を分けていただきます。
木やり唄の長老たち
地搗
短冊が落ちてきます
この短冊には、「家内安全」のご利益があるとかで、子供も大人も我先にと奪い合います。
こうして少しずつ浜に近づいていくのです。
短冊を拾う人々
みんなに見守られて
干潮の時刻にあわせて、浜ではかがり火が焚かれています。 海中には、大竹を立てる台が用意されていました。 到着した大竹に、さらに花や提灯が飾り付けられます。
夜の港を練っていく大竹
間近で見る大竹の短冊
寒い海に入って大竹が送られるのを待っている男衆は 「早うせ〜や、冷やいぞ!」 例年にない暖冬とはいえ、3月の夜の海は寒いはずです。
やがて飾り付けを終えた大竹が海中に送られ、男衆たちによって台にくくりつけられました。 そうして最後に大きく大竹を揺すると、浜辺で見守っていた人々は大きい拍手をして男衆たちを賞賛します。
これから括り付けます
海中の男衆
括り付け作業
取り付け完了の大竹と見守る人々
翌日、穏やかに潮が満ちていました
この大竹はそのままにここに置かれ、後日、海のほうへ倒れたら豊漁、浜のほうへ倒れたら豊作。 いずれにしても竜神さまはご利益をくださるという希望に満ちたおまつりでした。 麗