高知の祭り

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御田祭 室戸市吉良川町 (H19.5.4)


田植え(早乙女と早乙女テガイ)



いしぐろと漆喰の壁


漆喰の壁


吉良川町の御田八幡宮の御田祭が5月3日に行われました。

この祭りは鎌倉時代から伝えられ、国の重要無形民俗文化財に指定されており、五穀豊穣を祈願して、2年に一度開かれます。

吉良川町は左のような建造物が多く、重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
 


拝殿で舞われるのは、田植えから収穫までの農作業を15の演目で演じられる田楽能です。

中でも、収穫した米で造った酒を絞る最中に生まれた「神の子」を得ると子宝に恵まれると伝えられる「酒絞り」は広く知られています。


浜辺での練り



太鼓と清めの潮を汲む手桶


県内外から子宝を望む女性が大勢集まり、拝殿に上がって、杜氏婆が差し上げた神の子(木の人形)を激しく奪い合うのは、子授け信仰の「奇祭」とも言えるでしょう。


壮絶な争奪戦の後は、当日拝殿に上がった20人の女性一人ひとりに人形を抱かせ、神官さんが子宝祈願をするというものです。



さて、祭りは朝8時から白い一文字笠を被り「ささら
(簓)」を手にした8人の氏子による「練り」が町内を回ることから始められます。

太鼓に合わせ、8人が輪になって、ヨッピンピ〜ロ、ヨッピンピ〜ロと唄いながら、田を練る仕草をする舞です。


木陰で休憩中



練りの舞い納め


三つの舞を三度ずつ舞っているとか、同じように見えていてもよく見れば、手にしている「ささら」の位置が変わっているのに気づきます。



ささら


午前中は町内を回り、昼食後、浜辺での練り。

清めの潮水を汲んで本殿に戻ります。

午後1時、太鼓が打たれ始め、いよいよ拝殿での舞が始まります。


殿と冠者



女猿楽(苗取り)





先ずは、「練り」の舞い納め。

そして、次に舞われる演目は「殿」に耳打ちされた「冠者」が、

「次は○○○をやりますぜよ〜〜」

と、拝殿から三方に向かって案内します。



『女猿楽』(苗取り)


『三番神』(12人の地謡:囃子が着座)

『翁』(同上)

『牛』(従順な牛だが時に牛使いに歯向う)

『田打』(のらくらと若者二人が鍬仕事)


酒絞り



神の子争奪戦


『えぶり指し』(えぶりは田を平らにする道具。「そうとめ(早乙女)よう、そうとめよう」と早乙女たちを呼びます)


『田植え』(早乙女12人と早乙女テガイ12人、賑やかできらびやかな舞台です)

『酒絞り』(子宝祈願の女性たちの人形争奪戦)



『田刈り』(のらくらと若者二人が鎌仕事)

『小林』(小林上野守是成の幽霊が戦の武功を演じます:この演目により御田祭起源の時代が推察されます)


『魚釣り』(観客に向けて魚のついた釣り糸を投げます。魚に触れるとご利益があるとか)


魚釣り



地堅め


『地堅め』(舞の最後に左手を上げて、一般参加者に

「再来年ござれ!」(再来年、見に来てください)

とひと声大きく叫び、祭りの正規行事の終了を告げます)

このあと太刀踊りが奉納され、祭りは4時半過ぎに終了しました。



太刀踊り



いっぱいの見物人たちは、暑くてきつい日差しを避け、木陰で最後まで熱心に見ていました。


           


格子に花を飾る祭りの日

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