高知の祭り目次
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高野農村歌舞伎
4時過ぎにもう座って待っている人
津野町北川の三嶋神社境内にある「高野の舞台」で、詰め掛けた600人に上る観衆が見守るなか、高野地区民による農村歌舞伎が4年ぶりに上演されました。
歴史を感じさせる幕
高野地区長さんの挨拶
高野の舞台は、明治6年に建築されたものですが、建築前も同様の舞台があったとのことで、藩政中期頃、同種の舞台が建築されていたと考えられています。 この舞台は、舞台横でのハンドル操作によって舞台を回転させる「鍋蓋上廻し式舞台」で、当時としては進んだカラクリ。
熱演の囃し方
浄瑠璃式三番叟
「高野の舞台はその機構で日本唯一に残存する鍋蓋上廻し式の農村舞台で、発展過程の歴史的資料であり、学術的に非常に貴重なものである」(前橋工業短期大学・松崎茂博士)といわれています。
尼ヶ崎の段
かつて地区の娯楽として親しまれていた農村歌舞伎ですが、昭和32年(1957)頃から廃れていました。 昭和52年(1977)に舞台が重要有形民俗文化財として国の指定を受けたのを機に、「20年ぶりに復活」、以来、4年ごとに高野地区民によって上演されています。
お染久松野崎村久作住家の場
今回舞台に立ったのは、地区の21人と町内から公募した3人の計24人の素人役者。 9月初めからみっちり稽古を積んだというだけあって、素人とは思えない優雅な歌舞伎をみせてくれました。 役者さんたちの化粧・衣装や演技もさることながら、囃子方は全く素人とは思えない安定感だし、舞台装置も洗練されているし、手順良く全てを進めていく裏方も凄い!
廻り舞台が廻ります
午後5時半、あたりを夕闇が包み始め、晩秋の冷気が忍び寄る頃、浄瑠璃式三番叟で開幕。 枡酒が振舞われ、拍手、掛け声、ストロボ、おひねりが飛び交うなか、演目は「絵本太功記十段目尼ヶ崎の段」「お染久松野崎村久作住家の場」と進みました。
幕が引かれました
拍手喝采のなか幕が引かれ、あっという間の3時間でした。 高野地区に130年も生き続けてきた民衆の文化に酔った秋の夜でした。 麗
役者・裏方の皆さん方(囃し方が入っていないようです)