高知の祭り

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三倍(さばい)神社秋祭り 高知県仁淀川町谷山 (H20.11.3)


用意ができた一行6人



谷山の茶畑


昨19年の8月、お盆の火廻しに谷山を訪ねたとき


「お神祭のときに来てみんかね、お嫁さんの一行が下の谷まで歩いていくぞね」

と、教えてくれた人がいました。



11月3日、どんよりと暗い空模様を心配しながら仁淀川を渡り長者川を渡って、谷と山の急斜面にある谷山へやってきました。


道沿いの神社入り口の幟から小道をどんどん下りていくと、鬱蒼とした木立に覆われた谷のそばに三倍神社がありました。

注連縄を張ったり、お供え物を用意したり、それぞれに準備中でした。

「お嫁さんがここへ来るのですか?」

「上で着替えて、ここへ降りてくるがよね」

(どんな風に着替えているのだろう・・とにかく。「上」へ行ってみよう)

「その道を上がって行ったら公民館、そこでやっていますよ」


着付け



ジイメン


お嫁さん


お婆さん



村人


村人


鼻高



神社へ向かう一行


公民館で、お嫁さん・お婆さん・ジイメン・鼻高・村人二人の6人がそれぞれの衣装に着替え、面をつけ、昼過ぎには用意ができました。



神社へ向かう一行



可愛らしい着物を着せてもらったお嫁さん、留袖を着て曲がった腰でよろけそうなお婆さん、数百年経っているという面に横糸と刺繍糸だけが残った朽ちた羽織のジイメン、年代ものの燕尾服を着た鼻高、幟で作ったと言う衣装と素朴な面の村人二人。


それぞれがそれぞれの役になりきって、谷へ向かいます。


谷にある神社



鳥居で休憩


物語:その昔、可愛い娘が、意にそまない若者に思いを寄せられ、谷へ身を投げたので、その娘を哀れみ、慰霊のために行っているという。


「ジイメン」の面は4〜500年経っているというから、相当昔からの伝統らしい。

語り継ぐ人が少なくなったことへの危機感があるように感じました。



社殿まであと50m位の所にある鳥居をくぐり、鼻高が、手に持つ「サイハラ(2mほどの青竹で上半分は細かく割ってあるもの)」を地面にジャラジャラと打ちつけ、一行はてんでに座るところを見つけて休憩。

そこへ、社殿から薬缶に入った酒と杯が持ってこられ、和やかに談笑しながら一献二献。


神社へ到着



刺繍糸がようやく残る羽織


挨拶の後の一杯


やがて、神社へ到着。挨拶の後、酒を振舞われ、話したり、踊ったりと暫しの滞在の後、帰っていきます。


一行が公民館へ帰ってから、「本格的なおきゃく(宴会)」になることでしょう。

              

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