高知の祭り

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興津八幡宮秋季大祭 高知県四万十町興津 (H20.10.15) 


みこしと宮舟の攻防



興津の集落(中央が小室の浜)


国道56号、四万十町仁井田から海側へ17キロ。


興津峠から大小140もあるカーブの下り坂を下りきったところが、海辺の集落・興津です。

切り立った断崖に囲まれるような地形で、白砂青松の美しい小室の浜は水質の良い海水浴場として知られ、夏場の海水浴や釣り人で賑わいます。



興津八幡宮の宮舟神事は、約500年の歴史があり、高知県の無形民俗文化財に指定されていますが、このところの過疎と高齢化により宮舟の担ぎ手が揃わず、再三の中断を余儀なくされるという状態でした。


興津八幡宮



八幡宮へ向かう宮舟



到着


今年7月、地元住民が「興津地域伝統文化保存協議会」を立ち上げ、活動の第1弾として、興津八幡宮の宮舟神事の復活に取り組み、地区外から担ぎ手40人を募集。3年ぶりの復活となりました。



記念撮影の宮舟のみなさん



12時きっかり、遠くから舟歌が聞こえ始め、浦分地区の漁民など数十人に担がれた宮舟は八幡宮へ向け船出です。


住民たちの見守る中、今年新調したきらびやかな飾り付けの宮舟は、力強い舟歌とともに沿道を練り、八幡宮へ到着しました。


少年達の花取り踊り



小室の浜



みこしと宮舟を待つ観衆


社殿前でお祓いを受けた後、一旦神社から退出し、宮の前でみこしを待ちます。

宮舟が退出した後、8人の少年達による「花取り」が踊られ、やがて、14時きっかりにみこしが出ました。

花取りの少年達に先導され、みこしと宮舟はすぐ前の小室の浜へ向かいます。

浜では既に数百人の見物人が集まっています。



浜へ到着したみこしと宮舟は、波打ち際で軽く清めたあと、いよいよ砂浜での攻防が始まります。

郷分地区の農民などが担ぐみこしの上の鳳凰の飾りを、宮舟の舳先で落とせば豊漁、みこしが逃げ切れば豊作と言われており、両者は烈しく逃げる、追うの攻防を繰り広げます。


お清め



みこしと宮舟の攻防



みこしと宮舟の攻防


小回りのきくみこしと、9メートルもの長さを数十人で担ぎ、急には旋回できない宮舟。

勢いをつけてみこしを追う宮舟、宮舟の後ろへ横へと逃げるみこし。

時間にすれば数分ですが、本当に喧嘩するんじゃないだろうかと思うほど、どちらも必死の攻防を繰り広げます。

浜では、みこしが逃げ切りました。



その後、みこしは浜宮で神事(その間少年達は花取りを踊ります)。


神事終了後、宮舟とともに八幡宮へ戻りました。

これで祭りは終わったのだろうかと思っていると、みこしがタタタッと本殿へ駆け込みました。


少年達の踊りを見守る人々



あっという間にみこしが逃げこむ



すかさず宮舟が追いかける


みこしの鳳凰を落とす



満足げに引揚げる大漁旗


意表を衝かれた宮舟がすかざず後を追い、みこしの上の鳳凰の飾りを落としたのでした。

あっという間の出来事でした。

ということで、今年の勝負は引き分けで終わり、大漁旗を秋空になびかせながら、宮舟は浦分地区へ帰り、今年の宮舟神事は終わりました。


           


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