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桐見川の七夕飾り
小さい谷が準備作業場です
昔々(?)、私が子供のころは、それぞれの家で、家族が手分けして用意や飾り付けをして祝っていた七夕祭り。 今では幼稚園の行事とか、商店街のイベントくらいでしか見られなくなりました。
安徳帝の伝説があちこちに残る高知県の中西部。 その安徳帝の御陵参考地のある横倉山のふもとから桐見川沿いに20キロほど上流の桐見川地区には古くから(明治以降とも江戸後期とも言われています)伝わる風情のある「七夕」が今に伝わっています。
準備作業が終わってヤレヤレ
初めて縄を綯う中学生
「しで」の他にも、機織(はたおり)の道具や馬・犬などの家畜、馬を洗う「すぼた」などが吊るされ、農業や養蚕業や家内安全・子孫繁栄を、牽牛星・織女星に祈ったことでしょう。
祭りは旧暦で行われ、一週間くらい前から準備がはじまります。 谷に渡す100メートルもの長い注連縄を男が綯い、その注連縄に垂らす五色の紙で作る「しで」は女が分担します。
桐見川を見守ってきたお地蔵様
日の出前の飾りつけ作業
さて、 前日には越知中学校の生徒たちが準備手伝いに参加。 地区の方たちと一緒に小さな谷に集まり、「しで」やそのほかの垂らしものを作ったり、悪戦苦闘の状態でわら縄を綯ったりしました。
少しづつ引き上げられます
当日は、まだ薄暗い5時ころから注連縄渡しが始まります。 (中学生たちはすでにスタンバイ) 向こうの谷に渡された注連縄に「しで」やそのほかの垂らしものを括り付け、少しずつ引き上げられていきます。
朝日が差す頃には作業完了
橋の上でみんなで七夕を祝います
深い山の間から朝日が顔を出すころには全て完了し、谷にかかる橋の上で祭りの「小宴会」が和やかに始まりました。 このように、地区の皆さんが協力しあってのこの地域に昔から伝わる「七夕」行事ですが、地区民の減少という、伝統文化を後世に継承するのに深刻な現実を抱えています。 地区の方々のご健康と、あの可愛い中学生たちの胸に、地域の歴史・風習・文化が根付いていきますように祈りたいと思います。 麗
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