西国三十三所
結縁御開帳 巡拝の旅

西国目次 HOME

前ページ 次ページ

西国三十三所結縁御開帳 巡礼の旅その5 (H21.3.21〜22)


雨に煙る那智の滝


桜情報が続くなか、先週に続いて巡拝に行きました。

前回は霙の降る満願の寺「華厳寺」と翌日快晴の京都での3か寺でした。

今回は、初回行く予定が果たされずのびのびになっていた花山院(三十三所巡礼の中興の祖といわれる花山院の菩提寺)と、第1番・青岸渡寺へ。

春に三日の晴れ間なしとも言われますが、さて・・・。


番外 東光山 花山院菩提寺

番外 東光山 花山院(かざんいん)菩提寺

住 所 兵庫県三田市(さんだし)尼寺(にんじ)532

ご本尊 薬師瑠璃光如来

開 基 法道仙人

御詠歌 有馬富士 麓の霧は海に似て 波かと聞けば小野の松風



花山法皇殿


西国三十三所巡礼の中興の祖といわれる花山院(第65代花山法皇)の菩提寺で、有馬富士はじめ播州平野や瀬戸内までの眺めがよく、花山院が気に入っておられたとか。


その時代の権謀術策に翻弄された花山天皇が19歳で出家し、那智での千日の修行の後、33の観音霊場を巡拝、41歳で入滅されるまで当院で仏道修行されました。

境内には御廟所、麓には花山院を慕う12后の五輪の塔があります。




昨今では、花山院に無事巡拝を祈願してから、西国三十三所巡礼に出かける慣わしになっています。

時間の都合で初回に果たせなかったお参りが今回できてほっと安堵です。


境内の菩提樹には昨秋の実が少し残り、下には落ちた実がたくさん転がっていました。

落ちている実を108個拾いました。

さて、何時になったら菩提樹の実の数珠になることでしょう・・。

花山院を出て車窓から桜を眺めながらバスはひたすら南へ南へと走り、お宿の奥熊野の川湯温泉へ着きました。

前回に次ぐ長時間のバス旅でした。


花山法皇御廟



菩提樹の実


凝った体をほぐすため先ずは温泉へ。

半バイキングの夕食もなかなか結構。

就寝前にもう一度入浴。

川原にある「露天風呂」は、女性は川湯専用ゆかた着用での混浴です。

翌日は雨予報でしたが、信じられないほどの夜空の星を眺めながらの川湯は最高でした。




翌朝未明から、かなり大きな雨音でした。

昨夜の星は何だったのだろう?

宿を出て約1時間、雨は止むこともなく、那智山の青岸渡寺へ着きました。


第1番札所へ到着



第1番 那智山 青岸渡寺

第1番 那智山 青岸渡寺(せいがんとじ)

住 所 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山8

ご本尊 如意輪観世音菩薩

開 基 裸形上人

御詠歌 補陀洛や 岸打つ波は 三熊野の 那智のお山にひびく滝津瀬



根本札所なちさん霊場の石柱



那智山は熊野三山の一つで、熊野信仰の霊場として長い歴史を持っています。


もとは、那智の滝を中心にした神仏習合の一大修験道場だったが、明治初期に青岸渡寺と那智大社に分離したもの。

平安時代中期から鎌倉時代にかけて「蟻の熊野詣で」といわれるほどに熊野三山の信仰が盛んで、花山法皇が千日の山中参籠後、近畿各地の33観音霊場に巡拝されたことから、西国三十三所の一番札所となりました。



本堂は古い建築で、1590年秀吉により再建されたものです。


今回は内陣に座して拝観をさせていただきました。

御開帳は毎年3回、節分会・4月第二日曜開山祭・8月17日ですが、今回御開帳は3月中となっています。


青岸渡寺


仏の言葉豆知識 「三毒の煩悩」・・・・・「西国巡礼慈悲の道」より

善根を害する三つの煩悩で、貪欲(むさぼり)・瞋恚(いかり)・愚癡(おろかさ)をいう。

あれがほしい、これがほしいという心、けんかをしたり、人の悪口を言ったり、人格を傷つける言葉を吐いたりする心、

どうかそういう心が消えるように、西国観音霊場を巡拝して、「もうやりません」「おこしません」と観音様と約束して、明るく楽しい家庭や社会を築いていただきたい。



間近に見る那智の滝



この日は一日中雨と風が続き、厳しい参拝となりました。


晴れていたら見えるであろう太平洋は雨にさえぎられていましたが、咲き始めたしだれ桜の向こうに霧が流れる雄大な那智の滝を見て心弾ませることができました。



          


 西国目次  TOPへ  前ページ  次ページ