遍路紀行目次 HOME
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2月20日 待ち遠しかった二回目のお遍路行きのバスに乗りました。 この日は朝から暖かく、2月だとはとても信じられないぽかぽか陽気の一日でした。そして今回、桃の花の雰囲気の娘が新たに加わり、さらに賑やかな遍路行となりました。 発心というと大げさですが、歩き始めるきっかけは人それぞれです。 よく聞く「先祖の供養」。大切な家族を喪った心の空白を埋めようとして始める人は多いようです。あるいは、遠からずいずれ行くところで、先に行っている人たちに仲良くしてもらいたいということもあるかと思います。
大日寺
その他にも、現世のアカを落とすため、同行二人であることに安らぐため、願い事があるため、ウオーキングラリーとしてちょうど良いから、お付き合いだから、ヒマだから・・・ etc. 娘遍路5人のアンケートはとっておりませんので、5人の発心は千差万別、不明です。 いずれ聞いて欲しいと話し始めるまで問い詰めない、それが、武士の情け、それで良いのです。
さて、前回、4番・大日寺まで行きました。今回は、大日寺から出発です。 お勤めは、ろうそくに火をつけ、お線香3本に火をつけ、お札を納め箱にいれ、お経の本を出して読み上げ、数珠を握って30秒合掌。 これを、1ヵ寺につき、本堂と大師堂でするのです。忙しくて追いまくられた前回に比べ、すこしは手際よくできるようになりました。
路傍の梅
地蔵寺本堂
今回始めた遍路娘には、初めてのお寺です。山門の前は、前回雪を被った迎春花がすでに色あせ、チューリップが芽立ち、一ヶ月の季節の移り変わりを教えてくれていました。 5番・地蔵寺へ向けて歩き始めます。 と、すぐに美しい梅の花に出会いました。満開の寸前、娘十八番茶も出花、梅の花に魅せられたカメラマンは行列から離れて狙うこと数分。
”カメラを持っちょったらいっつも走らんといかんき疲れるちや!” (なんじゃ、自分の所為じゃないか・・・)で、止まったり走ったりの行程2キロ。 5番・地蔵寺に着きます。 ここの奥の院は羅漢堂と呼ばれるところ。五百羅漢というが実は二百位はあるらしい。
地蔵寺の梅の花
少しお腹の出た ハンサムなお大師様
予習で五百羅漢を知りえた某カメキチは、そのためだけに、重たいカメラを頚椎症の首からぶら下げていたのだったが、団体の歩き遍路では、たとえ200円の入堂料であっても道を外れることは不可能でありました。 でも、良くしたもので、境内には、すばらしい梅の花が咲いていたし、大きな銀杏やハンサムなお大師様の銅像があり、十二分に満足させてくれました。 地蔵寺から6番・安楽寺までは5.3キロ。 2回目ということもあり、緊張感から開放された遍路たちは、この5.3キロがやたらと遠く感じられました。
地蔵寺の大銀杏
地蔵寺山門前 大銀杏が見えます
寿食堂の釜飯
先達さんが、後10分ですよ、と何回か言っていたようです。 何回目かの10分のあと到着したのは遍路宿「寿食堂」です。人懐っこい子犬と狸に迎えられました。お昼ごはんは、ご当地名物のうどんと釜飯でした。
寿食堂の廊下には方尺(そんな言葉は聞いたことがない? 方丈が1丈四方なら一尺四方なら方尺と言わないんですか? 永六輔さん教えて!)の紫色の小布団が88個敷き詰められていました。 88歩でお四国回りをする「お砂踏み」というのだそうです。
先達さんと談笑
安楽寺山門
昼食後、庭に出て狸と遊ぶひと、子犬と戯れるひと、先達さんと談笑する人、それぞれに、リラックスしたひと時を過ごしました。
そうして、6番・安楽寺を目指し出発です。
当地、徳島県板野郡は果樹農業が盛んで、いたるところに柿・桃・梅・梨・葡萄・八朔などの樹木があります。そして、梅はいたるところで美しく花を開かせていました。 やがて、安楽寺に到着。
安楽寺本堂
お砂踏みをする人達
中国風の山門をくぐって入っていくと、弁柄色の極彩色の建物があり、外廊がお砂踏みのできるようになっていました。 本堂は近代的な建物で、端正な印象を受けました。
安楽寺から7番・十楽寺までは1キロ。すぐ近くです。 山門を入るとすぐに子ども地蔵がいっぱいいました。千羽鶴や風車の鮮やかな色に目を奪われます。
十楽寺・子ども地蔵
十楽寺・山門
十楽寺・目のお地蔵様
そして、眼に霊験あらたかなというお地蔵様がいました。このお地蔵様はお遍路さんたちに大人気で、お賽銭がどんどん投げ込まれていました。 こうして第2回歩き遍路は7番・十楽寺までを元気に歩き、満たされて帰途につきました。
前回は御所温泉でしたが、今回は、吉野川ハイウェイオアシス・美濃田の湯で疲れを洗い流して帰ってきました。 次回は3月5日の予定です。
娘遍路
十楽寺・大師堂