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3月14〜15日
日帰り歩き遍路も4回目を迎えました。 この企画への参加者はおよそ100名とか、各回3便のバスが出ることになりました。
そして今回は1泊2日ということもあり、わが娘遍路たちは、老親のことや社会的活動のために、同じ日に揃うことはできませんでした。 土成ICで今までの方と別の先達さんが乗り込みます。「若い若い、ハンサムや。幾つやろ?」バスの中がざわめきました。
ハンサムな先達さん
吉野川に架かる沈下橋(大野島橋)
10番切幡寺を11時に出発。 30分ほど歩いての昼食は、チラシ寿司と鍋焼きうどん。 控え目な娘たちには、どちらも1食分の量です。が、 「作ってくれた人のご苦労を思えば、食べ残しはできない・・」と、早くも菩薩の心意気。
民家の庭の白木蓮や桃の花・緋寒桜、路傍の土筆やいぬふぐり・仏の座・ナズナなどが目に入ってきます。 日差しも気温も4月並。 そして、四国三郎と言われる吉野川に出ました。えっ、これが?水もちょっぴりしかありません。
この大根はこれから 先どうなるのでしょう
沈下橋(川島橋)を渡るお遍路さん
橋を渡ると見渡す限りの畑です。 キャベツや豌豆や玉葱。中でもトンネル栽培のニンジンが多かったようです。 菜花(なばな)はすっかり菜の花になり、前回ご紹介した葉なし大根がここにもありました。
40分ほど行くとまた吉野川の沈下橋にでました。 そう、私たちが歩いてきた、広々とした畑は、吉野川の中洲だったのです。 汗になりながら10キロを歩き、11番藤井寺に着きました。
藤井寺山門
藤井寺の藤
この寺の境内には、寺の名前にもなった藤の古木がたくさんあります。根周りは1m以上はあります。 5月になれば花は藤棚いっぱいに咲き誇ることでしょう。
今日始めての勤行、先達さんの声はバリトンでした。
藤井寺本堂
童学寺の白木蓮
まだ3時だからと、予定にはなかった童学寺へ行きました。 「別格20寺の2番」とのことです。 (88ヵ所+別格20寺で百八つ)
花々の童学寺を楽しんだのち、今夜のお宿「神山温泉 ホテル四季の里&いやしの湯」へ。 雛飾りが娘たちを迎えてくれました。
紅白梅 根元は一つです
ホテルロビーの雛飾り
すだちと梅の里。 徳島県神山町は山深いところ。 神山温泉の湯は、無味無臭、浸かるとヌルリとして美肌効果が期待できそうないいお湯でした!
温泉で暖まりその夜は早々と就寝。 翌日は7時に出発、8時には藤井寺にお参りをし、いよいよ12番焼山寺を目指し出発です。 阿波一番の難所、「遍路ころがし」と言われる12.3キロの山道です。
藤井寺本堂左からの
焼山寺みち
カサカサと落ち葉 を踏んで歩きます
長戸庵
歩いても、歩いても、歩いても、山の中。 3.2キロで長戸庵に着きました。
そしてまた3.2キロ、柳水庵に到着。昼食休憩です。標高が高く、休んでいると体が冷えてきます。 先達さんのこと ・・広島の出身。東京の大学に行き、サラリーマン5年の後、5年前高野寺で1年間修行。僧侶に。昨15年9月、引きこもりの若者たちと2ヶ月遍路。その後も交流。 修行は掃除に始まり掃除に終わる。料理当番は1週間に一度、1年も経つと上手に。etc
柳水庵でお弁当
一本杉庵の石段
椿が美しく咲く柳水庵を出発、一本杉庵への2.1キロを黙々と歩きます。 突如現れた石段。杉の大木。大師像。ひどく感動しました!
一本杉庵を出て暫く行くと、廃屋があり、人の気配を感じてなぜかホッとしたのでした。 そして人里、左右内へ出ました。ここまでは1.5キロ。 車道を行けば6キロ、遍路道を行けば2.3キロで目指す焼山寺です。 やれやれもう直ぐだと気が緩んだのですが、それからの急登は想像以上のものでした。 そして、出発から6時間半で12番焼山寺に着きました。
杉の大木を背にお大師様
焼山寺本堂
境内には樹齢300年を超す140本の杉が立ち並んでいます。 霧の立つ日なら、霊気が漂ってきそうですが、本日は快晴。体から汗と水蒸気が発散ます。 お参りを済ませ、ここで先達さんとお別れ。 バスに乗って手を振り、走り出して手を振り、カーブして手を振り、坂の下で見えなくなるまで手を振り・・。
「これほど別れを惜しんだ人が他に居るろうかねえ?」と娘たちのそれはもう賑やかなこと! 昨夜の神山温泉に舞い戻り、ヌルリの美肌温泉に浸かってから帰途につきました。 次回は4月2日の予定です。 娘遍路
杉木立