遍路紀行

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遍路紀行 その8 井戸寺〜阿波おどり会館 (H16.5.14)



初夏 花々の向こうは田植えの済んだ水田


5月14日

前日の絶望的な土砂降りとは打って変わった当日の晴天。

第1回から今回(第8回)までずうっと天候に恵まれた遍路行です。

一行の中に日頃の行いの良い人がいるのか、お大師様のご加護なのか、とにかく、ツイています。


11時半、徳島市国府町に到着し、昼食。炊き込みご飯とワカメのたっぷり入った天ぷらうどんです。殆ど毎回、うどんが出ます。


饂飩は弘法大師が中国から持ち帰って日本に広めたのだということです。

大師の生地、香川県がうどんの特産地であることや、遍路の食事にうどんがよく出されることなど、なるほど納得です。



井戸寺山門


17番井戸寺から18番恩山寺まではおよそ19キロ。


「始業時刻」の遅い私たちは、これを半分にして、今日は前半8.5キロを、次回に10.5キロを歩く予定です。



郊外の国府町から、眉山に向けて徳島中心街へと進みます。

徳島は藍の産地。

藍しじら織の小さな町工場がありました。


染め上げた糸を干しています


しじら織の工場



工場の中へ入っていくと機械が動いて布を織っていましたが、人の気配はなくお話を聞くことはできませんでした。


国道沿いに藍布の店もありました。


藍布屋


ファインダーを覗くどこかのお遍路さん


眉山に向かい鮎喰川を渡る(中鮎喰橋)



国道192号線、鮎喰川を渡ると次第に市街地となってゆきます。

晴天の午後。

気温はぐんぐん上昇、アスファルトの照り返しの中を進みます。



ぶらぶらと話しながら歩いているとつい行列の幅が拡がります。

狭い道を車も通ります。

先頭としんがりは、車が来たらみんなに注意をするのですが、それにしても、どの車も必ず止まって通れるようになるまで待ってくれるのです。


もしこれが高知だったら怒らずに待ってくれるのだろうか? 大阪だったら? 東京だったら? 

随所で穏やかな徳島の県民性に触れ、心が温かくなりました。

徳島球場脇で休憩。

栴檀の花が見事に咲いていました。


栴檀の花
(夏にはクマゼミが集まります)


峯薬師本堂 



眉山の麓の道沿いには寺社がたくさんありました。

峯薬師もそのうちのひとつ。

薬師如来の両側にいるのは、日光菩薩・月光菩薩、その外側に十二神将がいるとのことです。
(詳しくは、辞書をひもといてください)



次に見かけたのは諏訪神社

長い長い階段を上がったところにあります。

お散歩でしょうか、犬を連れた方が最上段で休憩中でした。


男厄坂61段


女厄坂61段


諏訪神社の階段




狸のお墓



藪の中には狸のお墓がありました。

この辺りは狸谷といい、昔から狸がいたということです。



今回の終点近くに三島神社があります。

ここは桜の名所だそうですが、今は葉桜で欝蒼としていました。


階段上り口に高さ2メートルほどのお城のようなものがありました。

コークスの燃えカスで作られたものだそうですが、なかなか凝った造りになっています。


コークスの燃えカス城


阿波おどり会館



あっちもこっちもお寺ばかりの寺町を通り、目的地、阿波おどり会館に着きました。

阿波おどり会館の5階は眉山ロープウェイ山麓駅になっています。

今回の歩行は今までで一番短距離でした。
回を重ねるごとに歩く楽しさを覚え、体も慣れてきた娘たちには、正直なところ「どうも物足りない」感じがしました。

でも、ものは考え様。
余裕を残した引き際というのは美しいかも。



そして今日の締めくくり。

いざ、温泉へ。

モーレツなジェット水流で吹き飛ばされた人がいたとか、いないとか。




              娘遍路


天然の湯 あいあい温泉


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