遍路紀行

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遍路紀行 その11 生名〜水井 (H16.6.25)


6月25日

台風6号が21日に上陸。その後、束の間晴れたものの、またもや梅雨前線に覆われてしまいました。

霧のような小雨の中、第11回遍路に行ってきました。

午前8時出発。鶴林寺の登り口、勝浦町生名へは11時20分到着。

旅館「金子や」で、お膳の前に着席し、いつもの通り「お唱え」です。


幸運の大銀杏


鶴林寺本堂右側の鶴の像


一滴の水にも 天地の恵みを感じ 一粒の米にも 万人の労苦を思い ありがたく頂きます


そして、山菜釜飯と蕎麦米入りのおすましで昼食を済ませ、外に出ると、大きな銀杏に気付きました。


勝浦町名物の「幸運の大銀杏」とか。

かなり痛んでいるようでしたが、それでも泰然と人々を眺めている姿はさすがに風格がありました。



さて、焼山寺に次ぐ阿波札所2番目の難所といわれる遍路道を歩き始めます。

目指す山は、霧に包まれています。

気温は高く、流れる汗にびっしょり濡れながら、ひたすら上りばかりの小径を登っていきます。


登り遍路道 もう少し


鶴林寺 山門


最近まですだちを栽培していたであろう山畑には、萱やセイタカアワダチソウ、クサギなどが生い茂ったり、
ヒノキを植えてしまった畑もあります。

全国の里山と同様に、ここ、勝浦町にも過疎化の波が押し寄せているようでした。

急坂を黙々と登ること3.7キロで、20番鶴林寺に到着しました。

よく清められた参道の向こうに山門が見えました。

樹齢800年といわれる杉の大木に囲まれてあたりは暗く、霧の中に霊気が立ち込める幽玄の世界への入り口のようです。

この山門の両脇には、よくある「あ」「うん」の仁王様はいません。

そのかわり、雌雄の鶴が寺を守護しています。


杉の大木に立てかけられた金剛杖


本堂への階段



本堂右手には、三重塔があります。


この塔は江戸時代末期に地元の大工さんによって建てられたそうですが、高さ33メートルの重厚な見事な塔です。


この塔の3つの屋根の大きさはどれも同じだという方がいましたが、本当でしょうか? 上に行くに従って小さいように見えるのは目の錯覚でしょうか?












弘法大師が修行中、霊運たなびく中を二羽の鶴が黄金の地蔵菩薩を守りながら老杉に降り立ったのを見ました。


これは吉兆と、直ちに地蔵菩薩を刻んで、黄金仏を胎内に埋め込み、これを本尊(国宝)として、お堂を建てたとか。


その鶴にちなみ、寺の名前を鶴林寺と言うようになったそうです。(現在の本堂は380年前に建築されたもの)











三重塔



菩提樹


鶴の舞い降りた杉の木



また、本堂左手には、鶴が舞い降りたと言う杉の木や、大師お手植えの菩提樹もあります。


ちなみに

菩提樹:この樹下でお釈迦様が悟りを開かれたという

沙羅双樹:この樹下でお釈迦様は涅槃に入られたという



大師堂は本堂前の階段を下りたところにあります。

このころ雨はかなり降っていましたが、心を澄まして仏前勤行をし、雨と霧に包まれた鶴林寺を後にしました。


上りよりもさらに勾配のきつい下り坂でした。

下りは注意しないと脚を痛めます。ゆっくり、ゆっくり、下りました。


大師堂



合歓の木




途中、合歓の木がありました。



花の少ないこの時期、やさしい合歓の花でした。



雨に濡れるすだちや紫陽花にも癒されながら、2.5キロを歩き、水井に着きました。

今回は6.2キロと距離は短かったけれど、急坂の上りと下りで、さすがの元気な娘たちもかなり疲れてしまいました。




すだち


下り山中のお地蔵さま



紫陽花


疲れ落としは、前回と同じえびすの湯。
さっぱりした後のビールの美味しかったこと!

ところで、7・8月は暑いし、山の中には、長〜いもの(何でしょう?)がニョロニョロ出てくるかもしれない。

というわけで、美と健康と楽しさをモットーとする遍路の旅は、夏休みに入ります。


9月には、また元気な姿でお目にかかりたいと思います。


その日まで、みなさん、サヨナラ、サヨナラサヨナラ     


                                   娘遍路

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