遍路紀行

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遍路紀行その40 宇和島南IC〜番外龍光院〜41番龍光寺(H18.4.7)



春爛漫



龍光院への石段


桜の開花が始まってから気温の低い日があり、今年こそは「桜の遍路」になるかもしれないと秘かに期待していました。

1年目も2年目も桜の花の下を歩くことができなかったのです。

上天気の宇和島南
ICから市街地へ向けて歩き始めたのは10時半。

見ごたえのある桜があちこちに咲き、春爛漫です。



4.3キロ、40分で、番外札所・龍光院(りゅうこういん)へ着きました。


長い石段を上がると明るい境内の真正面に本堂がありますが、現在は修理中でした。

高いこの位置からは宇和島の市街地が一望できます。


龍光院への石段中ほどから宇和島城
(アンテナの向こう)



境内にはお稲荷さんも


本堂、大師堂での勤行のあと、桜の花びらの舞い落ちてくる石段で記念撮影し、昼食のためバスで移動します。



昼食はすぐ近くの小山の上にある「国民年金保養センター・うわじま」。


ここは宇和島の桜の名所なのでしょう。


大師堂前の木陰(左側の本堂は工事中)



保養センターの桜


たくさんの桜は満開を少し過ぎ、ほんの少しの風にも花びらがはらはらと舞い落ちてくる風情は得がたいものでした。

この保養センターの隣には宇和島名物・闘牛の行われる闘牛場がありました。



闘牛場


闘牛場の中



午後は、1時20分、龍光院から歩きます。


宇和島市街地を抜け、北宇和島で国道56号から県道57号へ入り、三間(みま)方面へ向かいます。


ハコベ


タンポポ


オランダミミナグサ


カラスノエンドウ



キンポウゲ


ナズナ


南予の米どころである農村地帯を行くこの道は、JR予土線とほぼ並行しているようです。

川沿いには桜や木蓮が咲き、足元には、菜の花、タンポポ、ハコベ、ナズナ、カラスノエンドウ、キンポウゲ、野イチゴなどなど、野草たちもこの世の春を謳歌しているようでした。


ノイチゴ


ハナニラ


石楠花


紫木蓮



龍光院から9.7キロ。 2時間半で、41番・龍光寺(りゅうこうじ)へ到着です。


40番・観自在寺からは54.6キロ。長い道のりでした。

長い石段を上がった小ぢんまりした境内にはいろんな花が植えられており、四季折々に楽しめそうです。今は赤いツバキがたくさんの花をつけていました。

龍光寺は、弘法大師が稲荷明神を刻み祭り、四国霊場総鎮守の寺として開創されたのですが、明治初年の廃仏毀釈令により、稲荷大明神は氏神となって、石段のうえの本堂を看板替えして鎮座。


龍光寺への石段
見えているのは稲荷大明神



龍光寺本堂


その下に新たに本堂を建てた龍光寺は、11面観音を本堂に迎えたのですが、大師との深い由来を持つ稲荷明神も新本堂に移され観音さまと並び祭られるようになりました。

ということで、龍光寺では神仏が同居しています。



5番の「羅漢さん」、24番の「東寺さん」、26番の「西寺さん」など俗称で呼ばれるお寺があちこちにありますが、龍光寺は地元では「三間(みま)のお稲荷さん」と呼び親しまれています。


夕刻の斜めにさして来る光の中で勤行をすませ、見下ろすと三間平野は田水が光り、春の躍動が始まろうとしています。

日程表では今日はここまででしたが、予定より早く進んだこともあり、もうひと頑張りして約1キロ、次の42番・仏木寺(ぶつもくじ)方面へ進みました。


龍光寺大師堂



花ズオウ


4時半、バスで「クアテルメ宝泉坊」へ。

方向音痴にはさっぱりの地理でしたが、50分ほどで到着。
天然温泉、薬草風呂と芯から元気になれそうないいお湯でした。


風呂上りに見た花桃は極上でした。

おのが心こそ己の拠るべ
おのが心を措きて何処に拠るべぞ
よく整えられし己にこそ
得がたき拠るべを得ん


(100万人にお遍路を伝える会の入門書より抜粋)


次回は 4月21日 龍光寺〜42番・仏木寺〜43番・明石寺 です。

          娘遍路 


クアテルメ宝泉坊



色とりどりの花桃

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