遍路紀行

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遍路紀行その44 内子橋〜楽水薬師堂〜突合〜上田渡薬師堂(18.6.9)



ホタルブクロの咲く道



瓦葺のバス待合所


内子五十崎(うちこいかざき)ICを降り内子橋の道の駅「からり」へは9時50分到着。

「いろいろ売っていますが、ここで昼食をとりますので、お買い物はそのときにしてください」としっかり釘を刺され、10時に国道379号線を小田へ向けて出発しました。

前日の低気圧がらみの風雨は去り、涼しい曇り空で、歩くにはほどよい天候です。



379号線は小田川に寄り添うように遡り、砥部・松山へ続く道です。

ヒメジョオンがいたるところに咲く田植え時期の、のどかな田園地帯のところどころに瓦葺のバス停がありました。

とりあえず雨風を防ぐ為のトタン張りのバス停を見慣れているので、地域の方の心豊かさを感じました。


お遍路無料宿



田植え風景


1時間ほど歩くと、「お遍路無料宿」がありました。


通し打ちの方にはありがたいお宿でしょう。

道路を挟んで向かい側では、田植えをしています。

今では珍しくなった早乙女の手植えです。



少し休憩の後先へ進み、「和田トンネル」へ。


トンネルを抜けてからも同じような風景が続きます。

ヒメジョオン・ヒルガオ・ツユクサ・ノカンゾウと夏の草花が顔を見せてくれます。


ヒルガオ



ムラサキツユクサ


ノカンゾウ



内子橋から8キロ、予定通り2時間で大瀬へ到着。

昼食のため、バスで内子橋の道の駅「からり」へ戻りました。

清流のそばの静かな森の中の、透き通ったガラスのようなお洒落なレストランです。


「からり」の前の吊橋 



お洒落なレストラン


昼食後、「焼き立てで美味しい」と人気のベーカリーでパンを、道の駅で農産物や花をと、思い思いの買い物を楽しみ、大瀬へ戻りました。

大瀬は、木のしとみや格子のある家々が多く、落ち着いた雰囲気です。



面白いのは、20戸分ほどの地区の新聞受けがあったことです。

ここでは戸別配達ではないのでしょうか・・。

珍しい新聞受け



ヒメジョオンの道


30分も行くと次第に山が迫ってきます。


道沿いの崖からホタルブクロが垂れ下がるように咲いていました。

大瀬から1時間少しで楽水(らくすい)大師堂。



さらに行くと、カメラに入りきらない大きな岩山、そばを滴り落ちる滝と、舗装路ばかりが続く単調さを慰めてくれるかのような変化のある風景を見ることができました。

足元のクローバーに四葉を見つけた人もいました。


新緑と滝



ホタルブクロ


ヨツバのクローバーは何個? 



突合の三叉路

やがて小田町へ入り、突合(つきあい)へ来ました。

楽水大師堂から2.1キロ、30分でした。

ここで道を左にとり、田渡川(たどがわ)沿いに進みます。

この川は美しい清流で道路から魚影をはっきりと見ることができます。

今の時期なら夜は蛍が飛んでいるのではないでしょうか。



ところで、今回は舗装路ばかりだった所為か、疲れてきた人もあり、次第に速度が落ちてきて、先頭と最後尾はずいぶん離れてしまいました。


突合から5.2キロ、予定を少しオーバーしたものの、1時間半で最終予定地・上田渡(かみたど)薬師堂へ全員無事に到着しました。


虫取りナデシコと早苗田



清流・田渡川


今回の総歩行距離は19.8キロでした。

そこからバスで松山へ進み、南道後温泉「ていれぎの湯」へ行きました。

地下1200メートルから自噴している天然の温泉とか、ナトリウムとミネラルを多く含んだ健康湯で疲れを癒すことができました。


注:「ていれぎ」について

南道後には「杖(じょう)の淵」と呼ばれる弘法大師伝説の泉があり、流域一帯に「ていれぎ」が自生しています。

「ていれぎ」は「オオバタネツケバナ」ともよばれ、クレソンに似ています。

清流の水辺に育ち、食用にされるもので、松山市の天然記念物に指定されています。


上田渡薬師堂



ていれぎの湯


次回は6月23日、上田渡薬師堂〜下坂場峠〜久万高原です。



           娘遍路


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