遍路紀行

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遍路紀行その47 45番岩屋寺〜久万高原〜三坂峠 (H18.9.1)



歩き始めは揃っています



キンミズヒキ


ヌスビトハギ

およそ2ヶ月の猛暑の夏休みをそれぞれに過ごして、本日参加の27名が変わらぬ笑顔でバスに乗り、7時に高知を出発しました。

いつもの先達さんは、暑さのために体調を崩されたとか、何度か「ピンチウォーカー」として率いてくださった他の先達さんが来てくれました。


春以降、遍路の日には雲や小雨が私たちを包んでくれて、炒り上げられるような暑さに会うこともなく快適に歩いてきました。

今回、9月になったとはいえ、「残暑」の厳しさを覚悟しましたが、見上げれば曇り空。

美川の道の駅でトイレ休憩(歩き始めると山に入るのでトイレがありません)。

9時50分、岩屋寺駐車場から歩き始めます。


ゲンノショウコ(赤)


ゲンノショウコ(白)


ツユクサ


クサアジサイ



渓谷沿いの遍路道

渓谷沿いの小道は昨日の雨でたっぷり水を含んでいます。

足元にはゲンノショウコ、ツユクサ、キンミズヒキ、ヌスビトハギなど、秋の草花たちが咲いています。


山越えの道はクサアジサイのほのかなピンク色に彩られ、ミヤマウズラにも何度か出会いながら、約1時間で古岩屋温泉前に到着。

そこから左手の山側へ道をとります。

ハギ、クズ、カラスノゴマ、アキノタムラソウなどなど。

高原は秋まっさかりです。


ミヤマウズラ


モミジガサ



対岸の崖にお不動さん


アキノタムラソウ

対岸の切り立った山肌に見えるのはお不動さんでしょうか、一体どうやってあんなところに?と驚きです。

前回登った八丁坂登り口を過ぎ、木漏れ日を受けながら、上り、下り、また上り、下り・・・。


いつもと変わらないかそれ以上のペースで歩いているので、さすがに2ヶ月ぶりの山道は疲れます。


ハギ


クズ



美しい秋の実り

黄色く色づき始めた稲穂の中を過ぎ、昼食場所の「ふるさと旅行村」へ着いたのは、予定より50分遅れの12時半。

日程表には岩屋寺から6.5キロとありますが、もっと歩いたようです。


レストランの入り口に鉢植えのキレンゲショウマを見て大喜び!

そして数多いお皿が並んだ美味しい食事を平らげ、午後から歩く11キロを思ってお代わりをしたら、暑さで弱っている胃が泣きそうになったのもこの時期ならではのハプニング。


キレンゲショウマ



だんだん列が長くなります

午後は、1時15分から歩きます。

高原に上り下りはつきものですし、夏の間に草が生え伸びて道が分からなくなっていることもあります。


河合あたりで「遍路道がなくなった?!」ときには困りましたが、数10センチも伸びた夏草を踏みしめてしばらく行くと、やっとそれらしい道に出ました。

先頭を行ってくださった方には頭が下がります。

この時期の山には「長いもの」も潜んでいるかもしれないのですもの。



夏草に覆われた道



木漏れ日の道

杉林の中を、山坂・山坂。
標高800メートルあたりで休憩したときの風の心地よさは格別でした。

オトコエシ、ヤマジノホトトギス、シラヤマギク、ツルリンドウ、ヤブラン、トチバニンジン、ワレモコウ、ホソバシュロソウ、サワヒヨドリ。

秋の山野草観察よろしく、たくさんの花に出会えた山道を5.1キロ(ここももっとありそうです)、2時間10分でようやく国道33号に出ました。


ここから三坂峠まで単調な舗装路(国道33号)を5.8キロ、残暑の日差しの中を1時間半、ひたすら歩き続けました。

道端にミソハギがきれいに咲いていましたが、疲れてしまって、殆ど「どうでもいい」状態です。

迎えのバスが待っていてくれたところで、久万特産のトウモロコシを売っていましたが、「既に1時間半の予定超過」を添乗員さんに言われてしまいました。


オトコエシ


ヤマジノホトトギス


シラヤマギク


ツルリンドウ


ワレモコウ


ヤブラン


トチバニンジン



ミソハギ

大急ぎでバスに乗り、峠から松山側の、前々回入浴した「ていれぎの湯」へ向かいました。ここの源泉は鉄分で赤茶け、舐めると塩辛い味がします。

温泉でゆったりと心身のメンテのあと、水風呂でほとぼりを取ってようやくさわやかに帰路につくことができました。



ところで、今回大幅に遅れたのは「総歩行距離は日程表にある17.4キロではなく、多分20〜21キロはあったのだと思う」(先達さん)とのことでした。


次回は、9月15日、三坂峠〜46番浄瑠璃寺〜47番八坂寺〜48番西林寺の予定です。

       娘遍路


ホソバシュロソウ


ヒヨドリバナ

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