遍路紀行

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遍路紀行その51 伊予北条〜遍照院〜星の浦公園 (H18.11.17)


遍照院で



お散歩中の小さな紳士・淑女達


よく晴れて暖かい日でした。


10時にJR伊予北条駅でバスから降りると、お散歩中の小さな紳士・淑女たちに出会いました。

可愛い声で「コンニチワ!」「バイバイ!」なんていわれるとたちまち頬が緩んでしまい、今日も明るい気持ちで出発することができました。



住宅地を抜け北東へ3キロほどで「鎌大師」です。


「鎌大師」は、平安の昔、疫病が流行っていたこの地を通りかかったお大師様が、家族の病気で泣きながら草刈をしていた童子の鎌で「大師像」を刻み、これに祈願するようにと童子に渡し、童子が言われたとおりに祈願すると家族の病気は治り、その地の疫病も収まったという伝説を持っています。


鎌大師



サザンカ


また、ここ北条出身の早坂暁氏が、北条に花の数だけ「花へんろ札所」を作りたい、と提唱、花へんろ第1番札所にもなっています。


この地には、イヨスミレ・エヒメアヤメなど貴重な在来種の野草がありますが、今は季節はずれで観賞できず残念でした。

お勤めの後、御住職からのコーヒーのお接待をありがたくいただき、次へと出発です。



ヤクシソウ


ピラカンサ



そこからは緩やかな山越えで、ミカン、ピラカンサ、キウイなどの実、サザンカ、ヤクシソウなどの花が晩秋を彩る中を進んでいくと、櫨(はぜ)の紅葉の向こうに燧灘(ひうちなだ)が見え、やがて穏やかな瀬戸内の海辺(浅海:あさなみ)へ出ました。


豊作のキウイ



燧灘が見えてきました


伊予北条駅から5.3キロ、1時間半。昼食は今治方面へバス移動。


久しぶりに「うどん」が出て、辛党遍路の間で七味唐辛子が活躍します!

午後は浅海から海岸に沿って歩きます。ツワブキやリュウノウギクが満開です。



ツワブキ


セトノジギク



穏やかな燧灘を見ながら



そして道沿いの家々の屋根瓦が立派なのに気づきます。

さらには巨大な鬼瓦の展示に驚いたのですが、ここは菊間町で、瓦の生産地。

軒並み瓦屋さんなのです。

家々の屋根瓦が立派なのも頷けます。

浅海から4.8キロ、1時間10分で「厄除け大師・遍照院」へ到着。


巨大な鬼瓦



山門の仁王様

国道に面した山門の仁王様は、瓦の町らしく他では見られない瓦製の仁王様です。

人々の生業の中に密着したお寺さんなのでしょう。

降り注ぐ秋の日差しも何故かありがたく、厄除け祈願の心をこめて勤行しました。

遍照院を出てさらに海沿いに行くと、大きな石油会社があり、その裏手の森の青木地蔵で休憩しました。遍照院から3.3キロ、40分です。



ここは歩き遍路が泊まることもできるようになっていて、「お遍路さん、どうぞ」と、さりげなくミカンが置かれていました。


10分ほど休んで、先へと進みます。

延々と続く海沿いの国道です。

海岸沿いにいくらかハマボウの植樹があり、残りの花が咲いていましたが、おおむね単調な国道はついつい早足になってしまいます。


遍照院



青木地蔵で休憩


青木地蔵から5キロ、1時間10分で、本日の目的地「星の浦公園」へ、予定より40分以上早く到着しました。


さらさらと白い砂の美しい海岸です。



そして、今治方面へ向かい、「清正乃湯(きよまさのゆ)」で入浴。

清正乃湯は、加藤清正を祀っている祠の脇から温泉が湧いたことから命名されたそうです。
含放射能・ナトリウム・炭酸水素塩温泉。

愛媛県初の療養泉だそうで、アトピー性皮膚炎には特に良いとか。


ハマボウの残り花



星の浦公園


お湯にはこれと言う癖はないのに、ヌルッとしてよく温まりました。


別棟の個室風呂もありますので、病気の人でも人の目を気にすることなく入浴できます。


次回は12月1日〜2日、星の浦公園〜54番・延命寺〜59番・国分寺です。

        娘遍路


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