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どんど焼きの藁塚
単調な舗装路
それぞれの思いを胸深く刻んで年を越し、前回から6週間ぶりに今年初めての遍路に出ました。 4年計画の4年目。 思ってもみなかった速さで訪れた最終年。 口々に「来年も引き続き歩きたい!」と、結願へ11か月を残しているというのに、年の初めに早くも鬼を笑わせる発言しきりです。
さて、10時半、湯ノ浦を出発、通行量の少ない冬枯れの舗装路を黙々と歩きます。 緩やかな道の峠辺りで右手に世田薬師を見、左手の小道へと進みます。 30分ほど歩くと空き地に藁塚が見えました。 小正月の「どんど焼き」(1月15日に門松など正月飾りを焼く行事)の用意がされているのです。
麦畑
タネツケバナ
カラスノエンドウ
オランダミミナグサ
「野焼き禁止」ということで、家庭でのゴミ焼きはじめ、「どんど焼き」や「芝焼き」などの民間の伝統行事まで制約を受けるようになりましたが、ここでは「どんど焼き」が健在のようで嬉しくなってしまいます。 田んぼでは麦が芽を出し、タネツケバナやミミナグサ、カラスノエンドウなど小さな春が見られます。
途中、道安寺に寄り、歩き始めて4.5キロ、約1時間で「臼井の水」に到着しました。 道路の下段に「臼井御来迎(うすいごらいごう)」と記された石碑が建っています。 お堂の前は小さな池のようになっていますが、これが臼井の水でした。 近くで清掃をしていた方が「この池をよく見ると虹が見えるのですよ」と教えてくれました。
臼井御来迎
虹は見えなかった臼井の水
湧き水出てきているのは分かりましたが、見る位置をあちこち変えても虹は見えません。 「行いが悪いからだろうか、虹は見えないねえ・・」 「日差しの具合で虹が見えるときがあるかも知れないね・・」 「虹じゃなくて、水が滲み出ているということじゃないのかねえ・・」
虹を見ることができず残念でしたが、いつまでも虹に拘っている訳にもいきません。 今日の先達さんは道草は好みじゃないようで、先を急いでスタコラ行ってしまいます。 今はあまり花のない時期ですが、ロウバイ(ソシンロウバイ)が満開でした。
ソシンロウバイ
日切大師
「ロウバイがきれいなねえ」 「この梅は時期が過ぎて枯れて黄色になったの?」 「お上臈のように上品でロウバイと言うのでしょ」 「ろうそくの蝋みたいな色艶だからロウバイじゃない?」
単調な舗装路でも会話は弾みます。
臼井御来迎から10分ほどで「日切大師(ひぎりだいし)」に着きました。 今日は、世田薬師、道安寺、臼井御来迎と見てきましたが、ここでようやく落ち着いてお参りをし、小松町のりんりんパークへ移動して昼食です。
線香立てと獅子
りんりんパークの錦鯉
食事のあと、庭に回ると広い池に巨大な錦鯉がどっさり! 水底でじぃっと動かないのはかなりの高齢のようです。
午後は日切大師から丹原町役場・丹原温泉を過ぎ、国道11号を横切って妙雲寺まで10.1キロ、サザンカや干し柿を眺めながらの2時間半でした。
サザンカ
吊るし柿
昼食を摂った「小松りんりんパーク」の小町温泉で入浴。 朝から遅れ勝ちで、最終的に妙雲寺では1時間の時間オーバーでしたが、高知に着いたのはほぼ当初予定通りになりました。 運転手さんと添乗員さん、さすがプロの時間管理です。ありがとうございます。
次回は、2月23日(金) 61番・香園寺〜62番〜63番〜64番・前神寺までです。 (なお、60番・横峰寺は3月の予定です。) 娘遍路
小町温泉