遍路紀行

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遍路紀行その53 湯ノ浦温泉〜臼井の水〜妙雲寺 (H19.1.12)


どんど焼きの藁塚



単調な舗装路


それぞれの思いを胸深く刻んで年を越し、前回から6週間ぶりに今年初めての遍路に出ました。


4年計画の4年目。

思ってもみなかった速さで訪れた最終年。

口々に「来年も引き続き歩きたい!」と、結願へ11か月を残しているというのに、年の初めに早くも鬼を笑わせる発言しきりです。



さて、10時半、湯ノ浦を出発、通行量の少ない冬枯れの舗装路を黙々と歩きます。

緩やかな道の峠辺りで右手に世田薬師を見、左手の小道へと進みます。

30分ほど歩くと空き地に藁塚が見えました。

小正月の「どんど焼き」(1月15日に門松など正月飾りを焼く行事)の用意がされているのです。


麦畑



タネツケバナ


カラスノエンドウ



オランダミミナグサ


「野焼き禁止」ということで、家庭でのゴミ焼きはじめ、「どんど焼き」や「芝焼き」などの民間の伝統行事まで制約を受けるようになりましたが、ここでは「どんど焼き」が健在のようで嬉しくなってしまいます。


田んぼでは麦が芽を出し、タネツケバナやミミナグサ、カラスノエンドウなど小さな春が見られます。



途中、道安寺に寄り、歩き始めて4.5キロ、約1時間で「臼井の水」に到着しました。


道路の下段に「臼井御来迎(うすいごらいごう)」と記された石碑が建っています。

お堂の前は小さな池のようになっていますが、これが臼井の水でした。

近くで清掃をしていた方が「この池をよく見ると虹が見えるのですよ」と教えてくれました。


臼井御来迎



虹は見えなかった臼井の水


湧き水出てきているのは分かりましたが、見る位置をあちこち変えても虹は見えません。

「行いが悪いからだろうか、虹は見えないねえ・・」

「日差しの具合で虹が見えるときがあるかも知れないね・・」

「虹じゃなくて、水が滲み出ているということじゃないのかねえ・・」



虹を見ることができず残念でしたが、いつまでも虹に拘っている訳にもいきません。

今日の先達さんは道草は好みじゃないようで、先を急いでスタコラ行ってしまいます。

今はあまり花のない時期ですが、ロウバイ(ソシンロウバイ)が満開でした。


ソシンロウバイ



日切大師


「ロウバイがきれいなねえ」

「この梅は時期が過ぎて枯れて黄色になったの?」

「お上臈のように上品でロウバイと言うのでしょ」

「ろうそくの蝋みたいな色艶だからロウバイじゃない?」


単調な舗装路でも会話は弾みます。



臼井御来迎から10分ほどで「日切大師(ひぎりだいし)」に着きました。


今日は、世田薬師、道安寺、臼井御来迎と見てきましたが、ここでようやく落ち着いてお参りをし、小松町のりんりんパークへ移動して昼食です。


線香立てと獅子



りんりんパークの錦鯉


食事のあと、庭に回ると広い池に巨大な錦鯉がどっさり!


水底でじぃっと動かないのはかなりの高齢のようです。



午後は日切大師から丹原町役場・丹原温泉を過ぎ、国道11号を横切って妙雲寺まで10.1キロ、サザンカや干し柿を眺めながらの2時間半でした。


サザンカ



吊るし柿


昼食を摂った「小松りんりんパーク」の小町温泉で入浴。


朝から遅れ勝ちで、最終的に妙雲寺では1時間の時間オーバーでしたが、高知に着いたのはほぼ当初予定通りになりました。

運転手さんと添乗員さん、さすがプロの時間管理です。ありがとうございます。



次回は、2月23日
() 61番・香園寺〜62番〜63番〜64番・前神寺までです。
(なお、60番・横峰寺は3月の予定です。)



         娘遍路


小町温泉

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