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武丈(ぶじょう)公園近くのカンザクラ
香園寺の大聖堂
まれに見る暖冬で、霜も氷も雪も真冬日も殆どないうちに春先の陽気、そして、芽立ちを促すかのように雨も多くなりました。 前夜の雨があがり、61番・香園寺へついたときには青空も見え出し、遍路日和です。 お大師様が難産の女性のために栴檀の香を焚き護摩修法を行って安産となったという話が、寺の名前の由来となっているそうで、「子安大師」とも呼ばれています。
広い敷地の正面に、博物館を思わすような、大きいコンクリート造りの大聖堂(本堂にかわるもの)があり、「ここがお寺さん?」と驚くたたずまいです。 階段を上がって靴を脱ぎ、広い聖堂の中に入ると700〜800もの椅子が置かれ、正面にはご本尊・大日如来さまが金色に輝いて厳かに鎮座していました。
大聖堂内の大日如来
母子地蔵
大聖堂の右には子安大師堂があり、「いまさら間に合わんねえ」などと嘯きながらも、子や孫や若い人たちの安産・子育てを思って堂内を回りました。
香園寺から1.5キロ、20分ほどで国道11号脇の62番・宝寿寺へ着きました。 山門をくぐると正面に美しい屋根の本堂と思われるお堂があります。 かなり古く、傷みを修理する予定でしょうか、入れないようになっていました。 あまり広くない境内の左手は石や木を配した庭園になっており、右手は大師堂。 仏前勤行ののち次へと向かいます。
宝寿寺
吉祥寺本堂
国道11号を、1.5キロ、20分ほどで63番・吉祥寺へ到着。 仁王門をくぐって境内に入るとあちこちにお地蔵様がいて、「あわれ水子よ」と彫った碑がありました。 人それぞれの水子への思いが詰まっているようで胸を突きます。 水溜りの残っている境内に参拝者の車が入ってくる中、本堂・大師堂とお参りを済ませてキョロキョロ、成就石を探します。
手洗いの傍に縦横1メートルほどで、中にやさしい曲線の穴が開いている石がありました。 「コノ石ハ昔、石鎚山麓ノ滝壷ニアリシヲ、万治年中当寺ニ納ム。・・本堂前ヨリ目カクシシテ金剛杖ニテコノ穴目ガケテ進ミ、貫クコトヲ得バ願ヒ事叶フト伝フ」 ということで、試してみて、できた人・できなかった人それぞれに楽しませていただきました。
成就石
「お迎え大師像」と「くぐり吉祥天像」
成就石の傍には「くぐり吉祥天像」「お迎え大師像」。 「くぐり吉祥天像」をくぐって退出し、バスで香園寺まで戻り宿坊でお昼をいただきました。 宿坊の中庭は美しく手入れされ、コンクリート作りの硬いイメージを和らげています。 廊下や食堂の壁には、子安大師さまのおかげを受けた子供達の無数の写真が飾られていました。
午後は吉祥寺からはじめ、国道と平行しているひとつ南側の生活道を歩きます。 2月というのに民家の庭でミモザが咲き始めているのに驚きました。
香園寺に納められた子供達の写真
ミモザ
1時間ほど行くと右手に「石鎚神社」の大きな鳥居があり、行く手前方には山に張り付くようにたくさんのお堂の屋根が見えてきました。 吉祥寺から3.3キロ、1時間で64番・前神寺へ到着です。
寺は山岳修験者・役小角(えんのおづぬ)が石鎚山上に蔵王権現を祀ったことから始まるという伝承をもち、「お山開き」の日には、霊峰石鎚山へ登る白装束の信者達は、まず前神寺へお参りしてから山へ入るそうです。
前神寺境内のお地蔵様たち
石鎚神社の鳥居
水に打たれる不動尊
レンゲソウ
ハコベ
総門を入ってしばらく行くと、山懐にひろがる前神寺境内は鬱蒼とし、至る所に堂宇・お地蔵さんや石像・石灯籠や祠などが配置され、霊気漂う中を圧倒されながら上へ上へと導かれ、一番上の本堂に着きます。
いつものように右へ左へとカメラを向け道草をしながら上がっていきましたが、本堂へたどり着いた頃には、霊気に洗われ「六根清浄」気分になっていたから不思議です。
一番奥の前神寺本堂
タビラコ
キュウリグサ
前神寺を出てからは、手入れされた庭のしだれ梅やアセビ、田んぼのレンゲやナズナ・タビラコやキュウリグサなどを見ながらのんびり進みます。
1時間ほど行き、加茂川橋を渡ると、川沿いの桜並木(武丈公園)です。 植えられたサクラは1500本とか、カンザクラが見頃を迎えていました。 4人の娘達はサクラに負けないよう頑張って(!)写真に納まり、左手に道をとりました。
しだれ梅
アセビ
途中、地蔵庵前で休憩し、前神寺から7.4キロ、2時間ほどで、今日の予定地・上室生川橋へ到着。 「石鎚の湯」で前回から6週間ぶりのウォーキングの疲れを癒して帰途につきました。
次回は3月9日、妙雲寺〜60・番横峰寺〜61番・香園寺までです。 娘遍路
娘遍路です!