遍路紀行

遍路紀行目次 HOME

前ページ 次ページ

遍路紀行その55 妙雲寺〜60番横峰寺〜61番香園寺(H19.3.9)


横峰寺・聖天堂の獅子



車窓の雪


前回、横峰寺をとばして香園寺から先へと進みました。

横峰寺は寒い所だから冬季ははずすいう配慮なのですが、暖冬の後、3月に入ってからの寒の戻りは厳しく、出発前日の8日の北山は雪模様。



寒さ対策を充分にして出発し、高知道の車窓から雪を見て「もしかして?!」と密かに期待しましたが、3月の日差しで、雪はどんどん湯気になってしまいました。

9時30分、妙雲寺から歩き始め、舗装路を6.1キロ、1時間40分で湯浪休憩所に到着。


渓流沿いに湯浪まで



湯浪からの遍路道



急坂の上に足場が悪い難所です。

ロープのおかげで安心して歩けました。


休憩の後、道路左手からいよいよ急坂の遍路道へ入ります。

歩きやすいようにとの配慮でしょう、丸木を敷設し階段になっています。

数百メートル上がったところから、お地蔵さんのような「丁石」が1丁ごとに置かれています。

息を切らしながら、もう何時間も歩いたように思いましたが、実際は30分で、ロープを設置しているところへ来ました。



道標と丁石



遍路道


途中、観音堂のような建物がありました。


今日の先達さんは俊足自慢の方で、札所以外の小さいお堂へ立ち寄って休んだりお参りしたり謂れを説明したりということを殆どせずにどんどん行ってしまうので、「なんだろう?」と、私たちは横目に見て通り過ぎるだけです。



ホッ、山門が見えました


足元に霜柱を見つけて喜んでいるうちに、いつしか山門へ到着しました。

湯浪休憩所から2.2キロ、1時間20分でした。


ここは?


石鉄山(いしづちざん)



横峰寺本堂


西日本最高峰・四国第一の霊峰・石鎚山(1982M)の中腹で、標高は700M以上とか。

横峰寺は石鎚信仰と表裏一体の歴史を持ち、役小角(えんのおづぬ)が星が森で修行中、蔵王権現を感得して開山、後に当山を訪れた弘法大師が星供の法を修し、行基が大日如来を祀ったといわれています。

「神も仏も有難いのは同じである」と説いた大師の教義のままに、本堂内には左大臣も祀ってあるそうです。



重厚な山門をくぐり、石段をあがると右手が本堂、左手が大師堂です。

本堂左手の山側には無数の石楠花があり、たくさんの蕾をつけていました。

5月の花の時期には見事な花を咲かせることでしょう。


石楠花の林



眼下に広がる西条市


息を整えてお参りを済ませ、聖天堂の方から退出し、少し上がって駐車場へ行くとパッと視界が広がり、西條の市街や海が見えました。


風もなく穏やかな駐車場広場で、西条市からタクシーが運んでくれたお弁当を開きます。

いつも何かと世話がってくれる仲間が用意してくれた甘酒でぽかぽかです。



下りは車道を歩きます。

歩いても歩いても体が温まらず、なんとか運動量を増やそうとしましたが、無駄な抵抗でした。



氷柱発見



氷柱


寒いはずです。

道路わきに、氷柱を発見!

ひとしきり氷柱で遊んで前へ進みます。

30分ほどいったところで、左手の急な下り坂の遍路道へ。

香園寺奥の院への分岐を過ぎ、ひたすら歩いてやっと広い道路へ。


高速道路や石鎚サービスエリアが見えた時にはほっとしましたが、そこから目の前の「石鎚山ハイウェイオアシス」までの何としんどかったことか。


ムラサキハナナ


クサイチゴ



ナズナ


カンアオイ


ヤシャブシ



試練、試練!

目の前の急な階段を気合を入れて上がれば、また同じような急な階段が!

今度こそ着いたかと思えば、さらにまた同じような急な階段。

一体何段あったのか、ビルの階段を5〜6階、一気に上がったような気がしました。

たどり着いた道の駅・石鎚山ハイウェイオアシスは「椿温泉」もある広々とした良いところでしたが、お買い物をする気力もないほど、階段のぼりで疲れきっていました。

横峰寺から8.1キロ、2時間40分です。

そこから1.5キロ、30分ほどで前回お参りをした香園寺へ到着し、途切れていた遍路道を歩き繋ぐことができました。



今回の温泉は「武丈の湯」、伊予一番の難所を済ませることができた達成感を味わいながらゆっくりと疲れを癒したことでした。


次回は、3月24日、54回の上室川橋から国道11号線に沿って土居町の番外・延命寺までです。

      娘遍路


香園寺が見え明るい表情です

  TOPへ  前ページ 次ページ