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三角寺境内で
葉桜
2日前の4月18日、高知の山間部は積雪が見られ、平地でも暖房が要る寒さでした。 が、翌日からはまた春の陽気に戻りました。 さて、いよいよ今回から伊予路を後にして、讃岐路へ入ることになります。
9時、三角寺バス乗降場から三角寺に向け出発。 2週間経つと草が伸び、緑が増えて辺りは生き生きしています。 藪にはシャガの花、イタドリもニョキニョキ出ています。 2.5キロ、1時間足らずで三角寺へ着きました。
モミジ若葉
カキドオシ
クサノオウ
前回、満開だったヤマザクラは葉桜になり、裸木だったモミジは輝くような若葉になっています。 昨年2月に伊予路入りして15ヶ月、楽しく歩かせていただいたことへの感謝の気持ちで伊予路最後の三角寺で前回に続いてお参りをし、次へと進みます。 車も滅多に通らない山には、豊かな自然の野草がいっぱいです。 カキドオシ、クサノオウ、ショウジョウバカマ、チャルメルソウ、ノミノフスマ、ハハコグサ、ムラサキサギゴケ、クサイチゴ、ニガイチゴ、ヘビイチゴ、ミツバアケビ、etc.
シャガ
ハハコグサ
ノミノフスマ
スミレ
チャルメルソウ
ショウジョウバカマ
サクラソウ
イタドリもあちこちにあり、折り取ったイタドリがリュックにいっぱいになった人もいて、一行の行列は100メートル以上の長さになってしまいました。
ヘビイチゴ
イタドリ
人里まで下りてくると、水田には水が張られて田植えを待つばかりになっています。
三角寺から6キロ、番外・椿堂へ到着しました。 今の季節ならではの道草のせいで2時間近くかかってしまいました。
水田
椿堂の椿
815年、当地の庵に巡錫中のお大師様が、熱病(インフルエンザらしい)で苦しむ村人達を集め、杖を土にさして祈祷し、病を杖と一緒に土に封じていかれました。 後にこの杖から椿が芽を出して成長しました。 村人達はこの椿を「大師お杖椿」として信仰し、庵を「椿堂」と呼び、当地の地名ともなったということです。 境内にはたくさんの椿が植えられていました。
また椿の大木の下には「おさわり大師像」があり、左手を自分の具合の悪いところに当て、右手をお大師様の体のその部分に当てるとお大師様が身代わりになって悪いところを引き取ってくれるとかで、みんなてんでに触りまくっていました。
椿
おさわり大師
多くの人が最も気になるのは「膝」のようで、お大師様のひざ小僧は変色していました。 そのほかにも、「火伏不動尊」や、ユニークな「子宝授かりの福の神」などがありました。
ユニークな「子宝授かりの福の神」
火伏不動尊
霧の森交湯館への橋
午後は椿堂から「境目トンネル」入口まで4.4キロ、70分。 トンネルは855メートルあり、排気ガス対策としてマスク着用です。 さらに3.1キロ、30分で、今日の終点・徳島県の佐野へ着きました。
佐野でバスに乗り、川之江ICから新宮ICまで移動。 新宮の渓流の傍にある「霧の森交湯館」で入浴しました。 ここは、土佐藩・山内家6代豊隆氏が軍団を率い、北山越えの伊予路で江戸城へ向かう際に泊まった「馬立本陣」のあったところ。 今でも往時の石段と正門が残っています。 次回は5月11日、佐野〜66番・雲辺寺〜67番・大興寺です。 娘遍路
馬立本陣あと