遍路紀行

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遍路紀行その65 根香寺〜83番一宮寺〜栗林公園 (H19.10.5)


ヒガンバナの咲く道



根香寺で朝一のお勤め


猛暑続きだった9月も月末ごろから急に夜風に冷たさを感じるようになり、5日、高知自動車道から見る山は、きれいに秋の霧が立ち上っていました。


9時50分、バスから降りて根香寺の山門をくぐるとき、真っ青い秋空からまぶしい日が差していました。

前回咲き零れて出迎えてくれた萩の花は既になく、2週間という「時」を思いながら、朝一番のお参りをしました。



山門を出て右の遍路道を15分ほど行くと車道へ出ました。


しばらくは緩やかな勾配の車道で、時々瀬戸の海や屋島も見えました。

遍路道へはいると急勾配の下り坂でしたが、手の届くところに熟れたアケビがあったりして大喜び。


アケビ


オリーブ



ヤマブドウ



屋島が見えます



アキカラマツ


イタドリ


コセンダングサ

そこここで、アケビ、オリーブ、栗、ムカゴ、ヤマブドウなどの実りや、アキカラマツ、イタドリ、コセンダングサ、シオン、シロバナサクラタデ、白萩、トウバナ、フジバカマなどの秋の花も楽しめました。


シオン


シロバナサクラタデ


白萩


トウバナ


フジバカマ


1時間半ほどで平地へ下り、鬼無(きなし)です。


鬼無は盆栽や植木が盛んで、刈り込まれて見事に整枝された松が一面に植えられていました。


盆栽・植木の鬼無



自然のアクセサリー


根香寺から7.5キロ、2時間で鬼無の岩田神社へ到着、5分ほど休憩です。

10月は秋祭りの季節。

ここ岩田神社も今日が祭礼の日らしく、屋台がボツボツと店を開き人出を待っています。

そこから、「常夜灯」を過ぎ、「中森橋」を渡り、「四つ又地蔵」を過ぎ、国道11号線を渡り、両側水路に挟まれた60センチほどの舗装した遍路道を歩き、岩田神社から成合天満宮まで4キロ、1時間。午後1時半になっていました。



バスで四国ハーブセンターへ移動、昼食。


讃岐路では本場のうどんが食べられると今日も期待したのに、また空振りでまだ一度も。


四つ又地蔵


水路沿いの遍路道



真新しいへんろ小屋と小学生達


午後は2時半から。

途中、古い遍路道標と、真新しい遍路小屋と、「コンニチワ」と挨拶をしていく小学生たちに感謝しながら1.8キロ、30分で、83番・一宮寺(いちのみやじ)に到着しました。



一宮寺は8世紀はじめ、大宝寺として創建されたのもですが、讃岐一の宮・田村神社建立により、その別当寺とされて一宮寺と改号し、1679年、高松藩主・松平頼重公によって別当職を解かれ、独立の寺となったという歴史を持っています。

山門をくぐると正面が本堂、右手が大師堂です。


一宮寺山門



本堂


本堂手前に薬師如来を祀る小さな石の祠があります。

この祠の中へ首を突っ込むと「ゴオ〜ッ」と地獄の釜の音が聞こえるといわれ、罪の深い人は石の扉が閉まって首が抜けなくなるという恐ろしい言い伝え。

試してみた人がいましたが、「釜の音は聞こえなかった」と言っていました。



お参りを済ませて、先へ進みます。

当地でも、祭り半纏で秋祭りの準備をしている子供達に会いました。

「お神輿がでるのですか?」と訊くと

「獅子が出ます」とのこと。

地域によって演出は違っても、神や自然に感謝する気持ちが、祭りという形で引き継がれているのだと嬉しくなります。


薬師如来の祠



お祭りの準備と子供達


やがて市街地に入り、国道11号線を跨ぐ陸橋を渡り、高松市内のメイン道路を栗林公園の外構に沿って歩き、栗林公園バス駐車場へ到着しました。

一宮寺から5.5キロ、1時間20分でした。



歩き始めたとき既に20分以上遅れていたにもかかわらず、最終到着は予定時刻通りという時短に追われた一日でしたが、天然温泉きららにどっぷりと浸かり、どんどん暮れていく秋の夕刻を一路高知へ帰ってまいりました。


栗林公園沿いに進みます



秋の日はつるべ落とし



次回は、11月16日、栗林公園〜84番・屋島寺〜85番・八栗寺〜道の駅「むれ」までです。



        娘遍路

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