遍路紀行

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遍路紀行その68 相栗〜切幡寺下〜熊谷寺 (H20.2.1)


寒風に干し上げられた大根



ロウバイ

近年は暖冬続きで、それにすっかり馴らされていましたが、今年は平年並みの冬のようです。

とはいえ、叩いても割れない厚い氷や一日中融けない霜柱、茶の間の藁畚(わらふご)のなかのご飯の凍結、頬や手の甲の皹(ひび)や皸(あかぎれ)などは遠い昔のことになってしまいました。

潔く「冬はつとめて」と言った清少納言が現在にあればどのように言うのでしょうか。


さて、2ヶ月ぶりの遍路は、結願(88番へ到着)から満願(さらに1番まで歩いて遍路道を環に繋ぐ)への道を歩きます。

多くの人が結願を完結とするのですが、4年の歳月をともに歩いてきた遍路仲間たちと、頂点でストンと終わってしまうことがなんとも名残惜しいのです。

88番から1番への30数キロを歩くことでクールダウン、その後のことはまた考えよう、このままでは終わらせたくない、というのが正直な気持ちです。

冬草のなかの道標(?)



熊谷寺へ

雪こそなかったけれど、相栗からの道は単調な冬の車道。

路傍のロウバイや、ほつほつと開き始める梅に癒されながらの8.5キロの道中でした。

昼食にやってきたのは10番切幡寺の下。

記憶に残っているような、いないような。

ほんのこの間のような気がしますが、4年という歳月は大きいものです。


午後。以前歩いた道も逆に歩くと風景が全く違います。

4年前、「あと5分やからな」を何度も繰り返し、遍路初心者の私どもを励ましてくれた先達さんに遅れじと、一団となって歩いたことでした。

冬の田んぼでは、ダイコンが見事な飴色に干し上げられていました。


山門前のコブシは硬い蕾でした



赤い頭巾が暖かい

切幡寺の下から7.2キロ、風格のある山門が見えてきました。

熊谷寺です。

ご縁をいただき、お参りをして、今日の遍路の締めです。

そして懐かしい「御所の湯」で体を温め、徳島道を通って帰ってきました。


次回は、2月29日、熊谷寺〜1番・霊山寺。

これで満願ですが、3月には、高野山へお礼参りに行く予定です。


            娘遍路


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