遍路紀行

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遍路紀行 その17 那佐運動公園〜佐喜浜 (H16.12.11〜12)



高知へ入った安堵感



色づき始めた櫨

いよいよ土佐路へ入るこの日は、穏やかで暖かい小春日和でした。

バスは30人の遍路たちを乗せ、11時半に前回宿泊した「遊遊NASA」へ到着。

昼食後、歩き始めます。

ようやく赤く色づき始めた櫨(はぜ)に今年の気温の高さを思います。


山茶花

国道沿いの草の茂みの中に「古道 旧土佐街道」の標識がありました。


旧土佐街道の標識


文旦


今は通る人もないでしょうか、道の跡はそれと分かりますが、荒れ果てて獣道のような風情です。


あちこちにたわわに実る文旦の木や、満開の山茶花が初冬を彩り、こころを和ませてくれます。


4キロ1時間で道の駅宍喰に着き、休憩。


前は美しい遠浅の海で、夏には海水浴で賑わうのではないでしょうか、今は、サーファーたちが波を楽しんでいました。


宍喰の海辺



古目大師


宍喰の古い町を通り、「カモメ橋」を渡り、3キロで「古目(こめ)大師」につきました。

真っ赤な木瓜の花や沈丁花がさいていました。

ここは暖かいところなのでしょう。


木瓜


沈丁花

古目大師からおよそ1キロで「水床(みとこ)トンネル」です。

自動車やバイクの爆音と排気ガスの中を1000歩。638メートル。

トンネルを抜けるとそこは雪国、ならぬ南国・高知でした。

高知県の東端、東洋町甲浦。

それにしても、この懐かしい感懐はナンだろう?


県境の水床トンネル



白浜の漁師さん

白浜で休憩。浜では漁師さんたちが漁網を修繕していました。

それからさらに東洋町野根へ。

古目大師から7.8キロで東洋大師です。
ここでお参りをして今日の行程14.8キロを完歩。

バスで逆戻り、水床トンネルの手前から旧道に入り今夜のお宿「国民宿舎みとこ荘」に着きました。


お風呂はナトリウム炭酸水素塩温泉でヌルヌルすべすべ、結構な温泉でした。

翌朝は、8時半に東洋大師から歩きはじめ、室戸へ向かいます。

右は切り立った山、左は波が弾ける海。
次第に雲が広がり天候は下り坂です。
法海上人堂へ立ち寄るころには、ポツリポツリと雨粒を感じるようになりました。

人家も自販機もなく、台風や豪雨のたびに不通になる舗装路が延々と続きます。


東洋大師


室戸市観光協会からのメッセージ

昔、今のような広い道路がないときには、人々はどんなに難渋したことでしょう。

それでも、あちこちに咲いている藪椿に慰められたのは、昔も今も変わらないことでしょう。

9キロで室戸市に入り、それから2.5キロ進んだ道路脇で昼食。


さらに約3キロ歩いて、13時50分、佐喜浜川を渡ったところで本日の歩行・15.4キロは終了しました。



暖かい室戸の藪椿


椿が散っている即身成仏法海上人堂

バスに乗ると、まるで待っていたかのように、本格的な雨になりました。

室戸岬「ホテル明星(あけのほし)」の、海洋深層水の露天風呂(塩辛いことは海水そのもの)でのんびりと昼風呂に手足を伸ばして帰ってきました。


                娘遍路


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