遍路紀行

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遍路紀行 その18 佐喜浜〜元海岸 (H17.1.14〜15)



満開の菜の花


観光案内地図

昨年1月、1番札所・霊山寺で歩き遍路の登録をしてから、早いもので、1年が経ちました。

17回の遍路行で「発心の道場」徳島県を歩き終え、ことしは「修行の道場」と言われる高知県内を行くことになります。

穏やかな一年であってほしいと願いながら、14・15日、今年最初の遍路に行きました。

「土佐俄(にわか)」が伝承されている佐喜浜を11時過ぎに歩き始め、海岸沿いの55号線を4.7キロ、夫婦岩を目指します。


海辺に咲くアロエの花

この日はどんよりと曇っていましたが、風がほとんどないので歩いているとあまり寒くはありません。

道中でいろんな花に出会いました。中でもアロエの花の群生は特徴的で、いたるところで見られました。



夫婦岩



海をみて何を思っているのでしょう

1時間少々で夫婦岩に到着、岩陰で昼食休憩です。

1月の戸外は寒くて、休憩するよりも、すぐにでも歩きたかったほどでしたが、人の体は食後すぐに仕事(歩くこと)をするようにはなっていない由。



野バラ



先年、室戸市内で「1日平均30キロほど歩いてきた」という女性に出会いました。


その数日後、「体が食物を全く受け付けなくなり、ホテルで2日間静養後札幌の自宅へ帰りました」というお手紙を頂いたことがありました。

マイペースの一人旅で、食後の休憩もせずに歩かれたのかもしれません。


タイキンギク


ハマエンドウ



エンドウの花



大根の花

さて、寒い休憩の後、南へ南へと歩きます。

防波堤沿いに野バラが、「神輿洗い」で知られる椎名の海岸にはハマエンドウが、道路わきの畑にはエンドウが花を咲かせていました。

前方に黄色い絨毯のような菜の花畑が見えたときは、疲れも忘れて思わず急ぎ足になってしまった娘たちです。


しばし菜の花畑に脚を止めたのち、海洋深層水研究所を過ぎ、右手の山の中腹に白い青年大師像が現れると、今日の宿泊ホテルがすぐそこです。


岬に近い民家は、どの家も高い塀で囲まれています。



防潮のための高い塀


青年大師像

台風銀座・室戸では、打ち寄せる高波の影響から家を守るためにこのような塀を築いているのです。




夫婦岩から12.1キロ。3時間半で室戸岬・ホテル明星(あけのほし)に到着しました。


ホテルでの夕食は、新年宴会の様相となり、賑やかに自己紹介(アピール?)もしました。

一番人気は、娘たちよりずっと若い添乗員の、ヨン様ならぬウエ様でありました。


夕食風景


御厨人窟


翌朝は雨になりました。

岩礁の遊歩道を歩き、岬先端の御厨人窟(みくろど)へ。


御厨人窟は、青年大師がこの洞窟で修行し、洞窟の中から広がる空と海を見て、その後「空海」と改称するきっかけになった所とか。

洞窟は深く暗く静かで天井からの滴の音が響くようでした。


海難事故の犠牲者たち


最御崎寺への遍路道


やがて24番最御崎(ほつみさき)寺への登り口から急坂の遍路道へはいります。

600メートルほどで山門に着きました。

23番薬王寺から80キロも歩いてきたことを思えば、感慨深いものがあります。

長い道のりを思いおこしながら、久し振りの札所での仏前勤行を唱和したことでした。



境内にはヤッコソウが自生し、秋には白く柔らかく生え出てくるのですが、今は、しっかりとした茶色の奴さんの姿になっていました。




最御崎寺 正面が本堂・左は大師堂・右は鐘撞き堂


ヤッコソウ



山門の南には海を見守るように灯台がありました。



下山は室津の港と町並みが見渡せる車道(室戸岬スカイライン)を通りました。

室津の漁港には「海の駅・とろむ」があり、疲れを癒す「足湯」(タオル付き利用料200円)や、台風のときに和歌山まで流されて一躍有名になったイルカを飼育しているところがあります。


室戸岬灯台



室戸岬スカイラインと室津漁港


津照寺山門


室戸の町は旧道を歩き、漁港らしく魚屋さんで珍しいお魚などを見ながら、25番津照寺(しんしょうじ)までやってきました。

ここまでで8.3キロ。

長い階段を上がり、小山のてっぺんのような狭いところに、海上安全を見守るかのように本堂が建っていました。

さらに2.8キロ、ウミガメ保護に力を入れている室戸市元(もと)海岸(今回の到達予定地)に着きました。


帰路、田野町の二十三士温泉へ。ヌルリとしたいい感じ!よく暖まりました。



              娘遍路

                         

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