遍路紀行

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遍路紀行 その19 元海岸〜羽根川橋 (H17.2.4)



遍路道の六地蔵


異例の積雪で明けた2月1日朝からの猛寒波が2日、3日と続きました。


ようやくその寒が明けた節分の日の4日、19回目の遍路に行きました。


10時半頃、夏には海亀が産卵に来るという元海岸に着き、田園地帯を山へ向かって歩き始めます。

山すそからは車道を離れ遍路道に入ります。


後ろを振り返れば広々と元海岸、足元には落ち葉に混じって所々に落椿、小枝に吊るされた遍路道案内の札や古い丁石などに励まされながら、冬の風情を一歩一歩踏みしめて歩きました。


落ち葉の遍路道


丁石


道案内の札


2キロ足らず、30分ほどで、26番金剛頂寺に着きました。


室戸市には3ヵ所の札所があり、地元の方は、24番最御崎寺(ほつみさきじ)を「東寺(ひがしでら)」、25番津照寺(しんしょうじ)を「津寺(つでら)」、26番金剛頂寺(こんごうちょうじ)を「西寺(にしでら)」と呼び親しんでいます。


大草鞋のある山門


金剛頂寺の本堂


急な石段を登りつめ、大きな草鞋の入った山門をくぐると、広々とした境内に入ります。

突き当りが本堂、左横に霊宝殿(阿弥陀如来像や密教の仏具など重要文化財が収められています)、左手前に「天狗問答の碑」「一粒万倍の釜」、くるりと左手に回ると大師堂です。



大師堂の前に、幹がコブだらけの椿の木がありました。

これは、「がん封じの椿」とか。

身近で「がん」を聞くことが多くなっているので、ここはしっかりと「病気平癒」と「がんにならないように」とお願いをしました。


がん封じの椿


一粒万倍の釜


天狗問答の碑

「一粒万倍の釜」

この釜で米を炊くと一粒が万倍になり、食べるのに困らないとか。

でも、この釜は古くなって大きな穴が開いていました。

「天狗問答」


大師がこの寺に住持していたとき、天狗がたくさん住んでいて悪さをするので、問答で言い負かし「我ここにあらん限りは汝この砌に臨むべからず」と、命じて蹉蛇岬まで退却させたという。


下山は藪の中の下り遍路道を下りました。


この遍路道は急坂でしたが、登り同様、遠い昔の道がそのまま残ったようないい雰囲気の道でした。


下り遍路道


藪椿

海鳴りを聞きながら、心癒される遍路道を3.5キロほど降りると、国道に出ました。

そこは、道の駅「キラメッセ」の前でした。
ここには、「地場産品販売所」の他に、「レストラン」、「鯨館」があります。


昼食休憩の後、いつものように楽しい地場産品のお買い物。

実は、ほんのちょっとと思って「鯨館」へ入った筆者は、古式捕鯨に夢中になり、一行を10分も足止めしてしまうというドジをして迷惑をかけてしまいました。

「みなさん、ゴメンナサイ!」


鯨館の鯨の模型


古式捕鯨の模型図



さてここからまた西へ西へと歩いていきましたが、いたるところで昨年の度重なる台風で痛めつけられた様子が目に入ってきます。


南を受けて暖かいこの地は、枇杷の栽培が盛んなところです。



例年ならば、いたるところ枇杷の木に大きな花が咲いたように袋掛けをしているのが見られますが、袋掛けをしているのはまばらで、殆どありません。

木そのものが、枯れているのです。復旧するには何年かかるのでしょう。


枇杷の袋掛け



黄色い水仙


旧道を選んで歩き・程なく蔵のある昔の町並みが保存されている吉良川町にやってきました。


楽しい友人(キャンさん)の家のすぐ前を通るので、訪ねてみましたが、ご夫妻共にお留守。

でも、すぐ後で、町で奥様にお会いしおしゃべりの花を咲かせた娘たちでした。


「キラメッセ」から8.3キロ、羽根川橋に到着。


本日の全行程13キロを歩き終えました。

そして前回と同じ「二十三士温泉」でたっぷり暖まって帰ってきました。


胡椒の実


キャン邸前で




次回は3月4日の予定です。



         娘遍路


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