遍路紀行

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遍路紀行 その29 横浪三里〜岩不動〜大善寺〜焼坂 (H17.9.16)



くねくねと下る道


ヒガンバナが添えられて


9月も半ばを過ぎ、朝晩の風に秋を感じるようになりました。


それでも日中の暑さは相変わらずで、本格的な秋の到来が待たれます。



夏休み明けの久しぶりの28回遍路からあっという間に2週間が経ちました。

今回からは高速道を通るために始発が高知になりました。

7:30高知発、8:00南国ICから高速道へ入り、土佐ICで降りて、前回到達の横波へ着き、9時から歩き始めました。

当日はうす曇であり、9時に歩き始めたころはあまり暑くはありませんでした。


ここから仏坂遍路道



くねくね


赤い色が際立つ道路わきの小さなお地蔵様の彼岸花、路傍に咲く小さなホシアサガオ、可愛い花びらのアゼムシロなど、いつものようにまわりの草花に目が向きます。

やがて浦の内湾と反対方向、山側の仏坂遍路道へと進みます。

かんかん照りではないものの、無風状態の山道を歩いていると、さすがに汗びっしょりになります。




アゼムシロ


ホシアサガオ


ツルボ


山道を3キロ、約50分で「岩不動」へ着きました。

お堂の中を覗くと大きな岩にお不動さんが彫られていて、それが名前の謂れとなっています。




キンミズヒキ


岩不動


藤色のツユクサ、見〜つけた!


岩不動を後に山道を下り、4.2キロ、約1時間で須崎湾、大峰橋へ到着、休憩。


セメント工場を対岸に見ながら、須崎市街へ入り、市街地を通り抜け、「須崎歩道トンネル」を抜けて左折、ほどなく大善寺へ着きました。

大峰橋から3キロ、50分足らずでした。


大善寺は番外5番札所です。


お参りを済ませたあとで、裏手の急な石段を上がっていくと「四国ぼけ封じ33観音、第14番霊場」がありました。

これからの生活の中にぜひともご利益をいただきたいものと、しっかりとお参りをしてきました。


大善寺



どうかボケませんように!


大善寺から10分ほど歩き、新庄川べりの「道の駅・かわうその里すさき」で昼食。

午後は13時20分に再開です。

新庄川を渡り須崎湾沿いの国道56号線を西へ西へ。

トンネルを3つ抜けて、3.4キロ1時間足らずで須崎市の西端、安和まで来ました。

ここで休憩しているところへ、バイクで追いかけてきた方がいました。

「テレビで見て、私も歩きたくなったけど、誰に申し込めばいいのですか?」

6月のテレビ放映以来、かなりの人数の「新お遍路さん」が歩き始められたそうです。

さてここから、目の前の山を越えるのに、国道もJRもトンネルをくぐるところですが、わが遍路一行は「焼坂峠」越えの遍路道をとりました。

「え?あれを越えるかね!」

「よう行くろうか?」

地元の方たちが心配そうに声を掛けてくれます。



JR線路を横に見て


暗くてきつい道でした



鎖を設置してくれています


しばらく行ったところで、親切な案内板にこう書かれてありました。

これより右、焼坂遍路道です。登坂口まで0.5K。焼坂峠まで1.1K。久礼・道の川国道合流点まで4.9Kの自然豊かな遍路道!」

「自然豊かな遍路道」というのがうれしくてルンルンです!

ところが登坂口から峠までの0.6キロというのが大変な道で、鬱蒼と暗い山の中の、足がズルズル滑りそうな急坂が息をつくまもなく続くのです。



「こんなきつい道は歩いたことがない」というほどでしたが、ありがたいことに鎖を設置してくれていました。

峠まで来て休憩。あとは上りとはうってかわった緩やかな下りが3.8キロです。道沿いには至る所にいろんなキノコが生えていいました。

大きいの小さいの、赤いの白いの茶色の、丸いの平たいのボコボコの。


山中のボタンヅル



ヒガンバナ

他にも、サワヒヨドリ、オミナエシ、オトコエシ、ススキ、ヒガンバナ、ボタンヅルなど「自然豊かな遍路道」といわれるだけのことはあります。

キノコや草花などに山の秋をたっぷり満喫しながら、峠越えの5.6キロを2時間かけて歩いたため、日程表の予定を40分超過!

入浴予定の「黒潮本陣」の受付時限16時を過ぎてしまいました。

というわけで、疲れ落しは前回と同じ伊野簡易保険保養センターへ。
ちょっぴり塩味のする温泉でした。


いろんなキノコがいっぱい出迎えてくれました






サワヒヨドリ


今回は二つの山を越えました。

焼坂峠越えの距離に若干の誤算があったとかで、総歩行距離は約20キロとなり、一日の歩行距離としては今迄で一番長くなりました。



次回は9月30日(金)焼坂〜そえみみず遍路道〜仁井田までの予定です。



            娘遍路


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