遍路紀行

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遍路紀行 その30 焼坂〜そえみみず遍路道〜仁井田 (H17.9.30)



中土佐町道の川



お、自然保護の警告板が!

朝起きて空模様を見ると、ひとつの雲もない快晴でした。

ところが、前回到達の焼坂のふもとでバスを降りる9時前には、空模様が少し怪しくなりました。

傘や合羽を持って歩くかどうか、の声がする中、のんきに雨用意をせずに出てきた麗は<どうしよう・・?>と内心とっても不安。どうか大雨になりませんようにと念じながら歩き始めました。



ツユクサの咲く中土佐町道の川地区を通り、「そえみみず遍路道」の登坂口まで、4キロ1時間を「そえみみず遍路道」への期待を膨らませながら歩きます。道中、何があっても楽しい、そんな私達です。


真新しい道標


熟したゴーヤ



登坂口の道標と寄贈者の上田さん


道端の黄色く熟れたゴーヤも面白いと写真を撮っていると、遠くから「それはゴーヤじゃ」と大きな声で教えてくれる人がいます。

誰にでも声を掛ける気の良い温かさ、分け隔てのない人情。うれしいではありませんか。


そえみみず遍路道の登坂口には、大きな道しるべが建っていました。


この立派な道しるべを寄贈したのは、遍路道の整備にも参加した、上田省吾さん。

そう、私ども一行の先達さん、その人でした。



上田先達さんはじめ、全国のあちこちから集まってきて、草刈など遍路道を整備してくださったみなさんに心から感謝しながら、昔から人々が往来し踏み固めてできた緩やかな山道を登っていきます。


そえみみず遍路道へ



古道整備の奉仕団の名簿、数多くの名簿がありました


名前の由来どおり、みみずのような道がくねくねと続きます。

木を切り倒して日当たりのよくなった斜面には、棘の多いフユザンショがいっぱい生えてあたりにサンショの匂いが漂っていました。



2週間前と同様、キノコ類はたくさん生えていましたが、過熟状態、少し時期を過ぎたようでした。

下りは南斜面で、草も生えていて、ササクサの実をズボンにくっつけながらの下山です。


フユサンショ


なだらかな上りです

樹木の切れ目へ来たとき、雨がふっていることに気がつきましたが、流れる汗を冷やす程度の快適なお湿りです。



雑木が切られた山道



小雨に煙る双名島


時折木々の合間から久礼湾に浮かぶ双名島が遠くかすんで見えます。


山の麓あたりにはシラヤマギクやマツカゼソウが清楚な姿を見せてくれました。

5.3キロ、1時間半で、そえみみず遍路道を歩きおわり、県道41号線を左に少し行くと国道56号線にでます。
このあたりが標高300メートルの七子峠です。


バスで今回の出発地点近くの久礼へ戻り、レストランでの昼食後、七子峠まで送ってもらって、12時50分から午後の部を歩き始めます。



マツカゼソウ


遍路の腰掛にサルノコシカケが



シラヤマギク


雨は傘を差すほどではなく、しっとりと空気を冷やす程度、空の暗さが気になりますが、もう少し待っていてくれることを祈りながら、国道を歩き続けます。

アゼトウガラシ、イボクサ、コヒルガオなどがあぜ道で見られ、草むらはツリフネソウ、イワシャジン、セイタカアワダチソウなども見られました。



アゼトウガラシ


イボクサ


コヒルガオ




ツリフネソウ


イワシャジン


セイタカアワダチソウ




1時間ほど行くと右手に遍路休憩所があり、ここで休憩。


休憩所の隣に大きな椿の木があります。

「お雪椿」といい樹齢350年のヤブツバキです。

七子峠から3.9キロ、1時間ほどで、JR影野駅を通過。


さらに3.8キロ、1時間ほどで14時50分、窪川町仁井田の「ゆういんぐ四万十」に到着しました。


お雪椿




お雪椿の謂れ書


窪川町は「霧の町・窪川」といわれ、朝晩よく霧が出るところです。


標高の高い盆地、霧に守られて育つ仁井田のお米は美味しいと評判です。



田んぼでは収穫が終わり、今頃は美味しい新米となって市場に出回っていることでしょう。

前回、時間切れで入れなかった黒潮本陣へ余裕の到着。

久礼の海を見下ろしながらの露天風呂は、塩味のするぬるめの温泉で、ゆっくりと浸かって疲れを落とすことができました。


刈り取りの済んだ田んぼ



久礼の黒潮本陣



次回は10月21・22日、仁井田〜37番岩本寺〜大方町まで1泊2日の予定です。




          遍路娘

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