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国道56号線(稲荷:かいな)を歩く
キンモクセイ
10月もずいぶん暑い日が続いていたのに、18日から急に冷えてきて秋たけなわとなりました。 遍路の道は、自宅からの距離がだんだん遠くなるにつれ、小さな一歩でも歩き続けると大きな距離になる、そんな感慨がわいてきます。 今回は1泊2日で、いよいよ幡多路へ入ることになりました。
7時50分に高知を出たバスが仁井田へ着いたのが10時。 キンモクセイの香りの漂う中、セイタカアワダチソウやススキの伸びた穂に秋を感じながら、5キロ、1時間半で岩本寺に到着しました。
岩本寺山門
岩本寺本堂
早速の勤行。 ふと気づいたことですが、30名近いどの一人も手馴れたもので、ろうそく立ての前で混雑することも慌てる風もありません。 30回も一緒に歩いているうちに、さりげない間合いが自然に身についてきているのです。
本堂の手前にはホトトギスが今を盛りに咲いていましたし、足元に目をやると、ツワブキの黄色い花に黄蝶が訪問中でした。 本堂の縁下には大きな木彫りの鬼がいました。 岩本寺は本尊が五体もあります。 阿弥陀如来・薬師如来・観音菩薩・地蔵菩薩・不動明王がそれで、それぞれにご利益があるというからありがたいことです。
石蕗の花と黄蝶
木彫りの鬼面
12時過ぎに岩本寺を出て1キロ足らずで昼食場所の「水車亭」へ行きました。 道路脇には大きな水車があり、「明治45年ごろ近隣の有志が建立した88ヵ所道標」である旨の看板が立っていました。
1キロ入りで売られている芋ケンピ
食事はキビ入りの仁井田米にうどんもついた定食で美味しかったのですが、驚いたのはこの店の芋ケンピです。 芋ケンピは高知のお菓子でありふれていますが、1キロ単位の大袋で売っているのです。圧倒されました。
遍路道標の水車
ミゾソバ
イヌコウジュ
生姜堀り
昼食後は国道56号線を西へ西へ。 単調になりがちな国道でも、大勢が作業する生姜掘りを見たり、道端のヒキオコシやノゲイトウやミゾソバの群生、ガードレールを乗り越えているたわわの柿の実など、癒しをくれるものはいくらでもあります。
片坂を越えたあたりから遍路道へ入りましたが、たくさんの秋の草花達が声を掛けてくれました。 シロヨメナ、ヤクシソウ、ミゾソバ、イヌコウジュ、ヒキオコシ、茶の花、など。 片坂を越えたら佐賀町。佐賀は高知県西部の幡多地方です。
ガードレールを越えて柿実る
ヒキオコシ
シロヨメナ
ヤクシソウ
宿坊泊まりは早朝のお勤めがあります。 本堂で、住職さんと一緒に勤行、法話を聞かせていただきました。 ついでに、マリリンモンローの似顔絵もある天井絵を撮らせていただきました。
早朝のお勤め
華やかな天井絵
モンローさんもいます
祭壇脇にこんな太鼓が!
7時半、宿坊を出発。 昨日の到達地点から歩き始めたのが8時。伊与喜、佐賀駅、西南公園、灘へと進みます。 14キロ、3時間半歩きました。 昼食は、西南公園の手前のうどん屋さんへ引き返し、洗面器ほどの器に入ったてんぷらうどんをいただきました。 一食一食、心をこめて作ってくださるので、最後の方にうどんが届いたときには最初の人は食べ終わっていました。
さて、午後ですが、昨日余計に歩いたことと、今日も速いペースで進んだことで、予定地までの残りは3キロほどになってしまいました。 ということで、希望者のみ、トンネルを抜けないで井の岬へ遠回りしました。 井の岬は、海岸沿いで暖かいからか、カラスウリやセンニンソウ、フジバカマがまだ咲いていて、アサギマダラにも会えました。ルンルンです。
イトゲイトウの咲く道
遍路道の熊井トンネル
そして岬を回り終えましたが、予定地の井田小学校前に近道組が一人もいません。 なんという健脚! 彼らは、もうひとつ向こうの上川口小学校を行き過ぎていたのでした。 ということで、遠回り組も上川口小学校まで行き、そこで合流。
ノゲイトウ
セイタカアワダチソウ
茶の花
ハマアザミ
ハマアザミ(白)
フジバカマとアサギマダラ
今日も余計に歩き、結局20キロ少々というところでしょうか。 佐賀温泉で疲れを落とし、家に帰り着いたのは予定より1時間ほど早い時刻でした。 次回は11月11日〜12日、大方町上川口〜大岐海岸の予定です 娘遍路
西南大規模公園
一番遠くに見えるのが足摺岬