遍路紀行目次 HOME
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長い影を描く夕方の大岐の浜
クジラに会えるまち・大方
霜月にしては暖かい日が続いていましたが、ようやく晩秋の気配になりました。 珍しく雨予報の中の32回目の遍路でした。 大方町上川口を歩き始めた10時半ころは小雨で、雨支度が必要でした。 すぐに海の見える海岸へ出ました。 「鯨の見える町・大方」の海も雨のため鈍色で、折角の景色もいまひとつ。 それでも、「枇杷の花が咲いているよ」「石蕗の花がきれい!」などと、みんなと一緒に歩いているだけで楽しい遍路行です。
道の駅「ビオス大方」で一休みの後、入野へ向かいます。 「Tシャツアート展」や「シーサイドはだしマラソン」が行われる入野の浜辺の松原の中を歩き、海岸近くの「ネスト・ウエストガーデン土佐」でおいしい昼食。 午前中の歩行は4キロ、1時間ほどでした。 午後からも雨はやむことなく、次第に雨量は増えてきたようでしたが、風がないので辛くはありません。
虹!いいえ、 大方の浜辺で拾われたライターです
広がるラッキョウ畑
ラッキョウの花
ノジギク
タツナミソウ
富良野を思わせるようななだらかな丘陵地にはラッキョウが一面に植えられています。 花の時期は紫色に彩られて美しい景観になるようですが、少し早かったようです。
3.2キロ、1時間ほどで田野浦へ。 道中、ノジギク、ヤマハッカ、タツナミソウなど可憐な花にも癒されながら、さらに9.5キロ、予定より早いペースで下田港へ着いたのは4時半頃でした。
石蕗の花
ドーナツ形のネストウェストガーデン土佐
バスで昼食をとったネスト・ウエストガーデン土佐へ引き返し、宿泊です。 宿へ着いたみんなの靴は濡れてグジュグジュです。 新聞紙を貰い、丸めて詰めて明日に備えました。
夕食時、「前回、飲み放題などとつい口を滑らして、えらい目にあった」と添乗員さんがこぼした割には、なぜか今夜も飲み物がたっぷりで、大宴会になってしまったのでした。 翌朝は雨が上がり、宿から見る朝の景色のきれいだったこと!
入野の浜の夜明け
下田の渡し場
初崎から下田方面
渡し舟を見送る人たち
8時に下田の渡し船に乗りましたが、この渡し船は定員13人ですから、3回に分かれて対岸・初崎へ渡りました。
下田の渡しは四万十川の河口、下田・初崎間1.2キロの渡しで、古い歴史を持っていますが、近年の利用者減で、残念ながら今年いっぱいで廃止になるとのことです。
初崎で遊ぶ先発メンバー
”お〜〜い!”
ここにもアサギマダラ
晩秋の幡多路を行く
3便で全員が渡り終わり、四万十川とも海岸とも離れ、山のほうへと進みます。 少し行くと、五百年も昔、一条さんが都を偲んで始めたといわれる「大文字焼き」の山がありました。 それは、山と思って探すと見逃してしまうような小さな丘にありました。
やがて全長1620メートルの伊豆田トンネルを越え市野瀬へ到着。 大きな水車がありました。前回の窪川にも水車がありましたが、遍路道標に水車を設置するところがあるようです。 市野瀬から20分ほど山へ上がり、真念庵へ行き、お参りをしました。
大文字山
伊豆田トンネル
トンネルの真ん中
市野瀬の巨大水車
真念庵から降りてくる お遍路さん
真念庵は、遍路がここに泊まり荷物を置いて足摺岬の金剛福寺へ行ってくる基地として利用されているようです。 初崎から7.5キロ、1時間半でした。 昼食はバスで四万十川河口まで戻り、午後は1時に市野瀬を出発、南へ5,2キロ、1時間10分で、下ノ加江の海岸へ出ました。
昨日とは打って変わった好天で、眼下に広がる海の美しいこと! 真っ青い土佐湾を見ながらゆっくりと歩く喜びをどう表現したらいいのでしょう。 ♪ 思えば遠くへ来たもんだ〜 故郷離れてもう半年(?)〜♪ 何となく口をついてくるのはこのフレーズです。
昼食に引き返した四万十川河口
コスモスも終わりです
下ノ加江から5.8キロ、1時間少々で大岐の浜へ到着しました。 かつて、美しい大岐の浜を歩く遍路の写真を見たとき、こんな写真を撮りたいと夢に見ていました。
美しい海を見ながら
大岐の浜に到着
また今回は、四万十市在住のカメラマンお二人が随所で一行を撮影しながら同行してくれ、お菓子やコーヒーの差し入れをしてくれたことも思い出に残る楽しい旅となりました。
次回は今年最後の遍路です。 12月2日〜3日、大岐海岸から金剛福寺へ行き大岐海岸まで戻ります。 娘遍路
木の橋を渡れば大岐の浜