遍路紀行

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遍路紀行 その34 大岐海岸〜上長谷 (H18.1.13)



藪ツバキ



ビニールハウスで栽培のパイナップル


厳しい寒波に見舞われているこの冬。

連日報道される雪国の記録的な豪雪、高知では冬場の渇水による取水制限と、厳しい自然に晒されながらもまずまず穏やかに新年がやってきました。

40日ぶりの遍路の日は、誰かの「雨乞い」が天に通じたのか、天気予報は傘マーク。



高知からは一番遠い幡多行きのため、いつもより1時間早い7時に出発。


大岐を10時30分に歩き始めたときは暖かいけれど暗い曇り空。

冬枯れの中に早くも藪ツバキが咲き始めるなど、やはり高知県でも最南の暖かさです。

本格的な雨でした



足取り軽い先達さん


久し振りの遍路であることや、ポツリポツリと雨催いとなったこと、昼食を早く食べたいことなどからか、歩くペースはかなり速く、下ノ加江までの5.6キロを1時間ほどで歩きました。


食後、12時40分に歩き始めたときには雨は本格的になり、周りの風景も煙ってしまいました。



サルナシの実


トベラの実



靴をジュクジュク言わせながら、4.4キロ、1時間弱で市野瀬に着きました。

ここ市野瀬は、2ヶ月前の11月13日、「遍路はここから足摺へ行ってここへ帰ってくるんだよ」と教えてもらったところです。

そこへ今帰ってきました。

四国の最南端・足摺岬へ歩いて行ってきたのだなあとしみじみと思います。


サネカズラの実



霧の山里


市野瀬からは左の県道346号へ。

車道で勾配はゆるいのですが単調な登りばかりです。ようやく峠を越えると盆地のような三原村へ出ました。


雨の中をかなり歩いて少しくたびれてきたので、平坦な道になってやれやれです。



三原村では、農家が自家産米で濁酒(どぶろく)を造っていることを新聞報道で見たことがあります。


これは、構造改革特別区域法で設けられた「酒税法の特別区域」に認定された区域内で「酒類製造免許」を取得したものが製造できる濁酒だそうです。

前方に迎えのバスが止まっていますが、「どぶろく」の看板を見たからには素通りできないではありませんか。



やや? どぶろく!



どぶろく「椿姫の伝説」


通りからだいぶん入ったところにある「椿姫の伝説」というタペストリーを目指していきました。


民家の1室にテーブルとイスが4脚。

ミニミニレストランで、「予約のない場合はうどんか焼き飯しかできません」とのこと。

販売中の濁酒を購入したのは言うまでもありません。



ところで、ここは三原村の上長谷で、今回の終点です。


市野瀬から9.9キロ。2時間半でした。

雨のおかげでよそ見をすることが少なく、ひたすら歩いたからでしょうか、一日の歩行時間は1時間近く短縮、歩き始めは30分以上遅れていたのに、日程表より20分ほど早く帰途につくことになりました。


スミレが一輪



雨に煙る山

中村市内の「平和な湯」(石鹸・シャンプーなどは置いていません)で1時間近く湯ったりして今年初めての遍路から帰りました。

この雨はその後も降り続き、鏡川や仁淀川の取水制限は解除されたとか。
良かった、良かった。


次回は1月27日 上長谷〜延光寺〜聖ヶ丘です。

         遍路娘

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