遍路紀行

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遍路紀行 その35 上長谷〜地蔵峠〜延光寺〜聖ヶ丘 (H18.1.27)



延光寺本堂での勤行



真念遍路道(上り)


上天気に恵まれた第35回遍路行でした。

前回、三原村で購入した「どぶろく」が評判となり、世話好きの「娘」がバスの中で取りまとめ、16本の予約注文をするほどになりました。

10時50分頃、上長谷に到着。

配達してくれたどぶろくをバスに積み込み、トイレタイムの後、「真念遍路道」へ歩き始めました。



弘法大師の一番の弟子であった真念さんが歩いた道だそうですが、今では、この道を行く人は少ないようです。

峠までの標高差90メートル、3.1キロの道のりですから緩やかな上りです。

1時間弱で地蔵峠に到着、まもなく正午のサイレンが聞こえてきました。

休憩の後、道を左にとり、人一人がようやく歩ける小道を下っていきます。


地蔵峠のお地蔵様



真念遍路道(下り)


「ゆっくり休みながら行こうよ」


「おなかが空いたので早く行こうよ」

2年間も一緒に歩いてきた仲間達です。

いろいろ勝手なことを言っているようでも、さして早くも遅くもならないペースができてしまっている感じです。


ところで、いつも上田先達さんが白い小さい布に「遍路みち」と墨書して一枚ずつ配ってくれる道標、今回は「持っとけ、持っとけ」と、何人か(麗も!)は10枚ほどの束で渡されました。

その心は?
たくさん渡されたメンバーを見てみるに、どうも早足の人が多いようです。

「もっとゆっくり歩きなさい」ということだったのかもしれません。


くくりつけた道標



延光寺門前のロウバイ


膨らんだ梅の蕾



強風でした


あちこちに道標をくくりつけ、時に木漏れ日を受けながら、ようやく人の気配の感じられるところまで下りてくると、広さが2坪ほどの大師堂がありました。

休憩を兼ねてお参りをし、さらに下りていくと間もなく平地へ出ました。

立派な自動車道が走っているその下の道を中筋川沿いに上土居川橋まで行くとバスが待っています。



地蔵峠から約5キロ、1時間。

既に午後1時です。

バスで移動し、レストランで昼食。

午後は2時から再び中筋川沿いに歩きました。

風が強く、笠が飛ばされそうでした。


延光寺山門



大師堂


寒の内で何もかもが冬ざれているなかで、今にも開きそうにふくらんだ梅の蕾、いち早く花を開いたロウバイなど、自然は明日への希望を持たせてくれます。


やがて宿毛市(すくもし)平田(ひらた)で国道56号に合流。



国道を宿毛方面に進み、寺山口から右へ1キロほど入っていくと、のどかな田園地帯の奥まったところに第39番・延光寺(えんこうじ)が見えてきました。


上土居川橋から7キロほど、2時間弱、午後4時になりました。


目洗い井戸



赤亀


昨年12月3日の金剛福寺以来の、修行の道場・土佐の国の16番目・最後の札所です。


とうとうここまで来たんだと、お勤めをしていて胸が熱くなりました。

大師が錫杖を突いて清水を湧出させたという「目洗い井戸」、赤亀が梵鐘を背負ってきたという「土佐で最古の銅鐘」(国の重要文化財)、巨大な「寺山のいぶきの木」なども見せていただき、延光寺を後にしました。



その後、さらに、聖ヶ丘までの2.4キロを歩いたときは、夕日に照らされて長い影を引いていました。

今回の総歩行距離は17.2キロと最近では少ないほうで、先達さんの万歩計は3万3千と記録されていました。


銅鐘



夕日に向かって


寺山口にある「アサヒ健康ランド」で入浴。

温泉に負けないぬくもりをたっぷりといただきましたが、ここは近々閉鎖の予定とか。

帰り道、閉店直前の「ユーイング四万十」(窪川町)に駆け込み、軽食を摂って帰途を急ぎました。

次回は 2月10日聖ヶ丘〜松尾峠〜一本松町です。


                 娘遍路


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