高知の祭り目次
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鬼神の舞
神社前にかけられた旗
仁淀川町の池川(旧池川町)には、国の重要無形民族文化財である池川神楽と安居神楽が保存されています。 今回は渓谷の美しいことで知られている安居地区(安居神楽)へ行きました。 安居神楽は、八所河内神社と熊野神社(八所河内神社から安居川をさらに上流へ遡ったところ)で、一年交代で奉納されています。 昨年は熊野神社で、今年は八所河内神社で行われました。
国道33号の吾川から国道439号を池川方面へ入り、6キロほど行って狩山口から左へ、安居川沿いにさらに6キロほどくねくねと進むと八所河内神社のある成川に到着。 高知県出身の作家・宮尾登美子さんが、教員として最初に赴任したという「安居小学校」が神社のすぐ近くにあります。(残念ながら安居小学校は平成9年に閉校となりました。)
安居小学校跡
囲炉裏では田楽の準備中
現地へ到着した11時には地区の人々が集まって厳かに神祭の神事をしていました。 神事の後、11時半、安居神楽が始められます。
先ずは10数人の舞人たち全員による、初祈り(みそぎ祓)です。 これは、天神地祇・九万九千九百九十九社の神々のご降臨を願うための一切成就のお祓いです。
初祈り
保存会の面々
順の舞
初祈りが終わるといよいよ神楽が始まります。 幣の舞、順の舞、悪魔払の舞、神迎、猿田彦の舞、二天の舞、将軍弓の舞、舞出しの舞、手草の舞、和卓の舞、長刀の舞、山主の舞、四天の舞、鬼神の舞と続き、最後に太鼓鎮で舞い納めます。 速いテンポの15の演目を、舞人たちの熱演が4時間以上続きます。
悪魔払の舞
猿田彦の舞
ところで、安居神楽で特徴的なのは「舞出しの舞」です。 岩屋戸からお出ましの天照大神を迎えての歓喜の舞で、天照大神をしっかりと抱きかかえて舞います。
舞出しの舞
和卓(おしき)の舞
高知県内のほかの神楽での天照大神は、ひたすら神々しい存在です。 舞出しの舞は、安居神楽のなかでも中心的な舞で、安居神楽が「舞出しの神楽」といわれるのはここからきています。
また、終わり近くで舞われる「鬼神の舞」では、鬼神は子供を抱いて舞ったり、ご婦人方のご機嫌を伺ったり、お餅やお供え物の御下がりを見物人に投げ与えたりと大活躍。 舞人は相当の年齢のように見えましたが、舞い始めるとメッチャ元気で、サービス精神に溢れているようでした。
太鼓鎮
この日は12月とは思えないほど暖かい好天で、見物人やカメラマンが大勢来て大層賑やかでしたが、山深いこの地では、お神祭が終わると本格的な冬に閉ざされるのではないでしょうか。 麗