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谷山・お盆の火廻し 高知県仁淀川町 (H19.8.15)


谷山の火廻し



向こうの山には津野町の風車がずらり


西日本最高峰の石鎚山に源を発している清流・仁淀川の中流域、川を挟んで向き合うように幾重にも山が重なっている山間の町、仁淀川町。


ここ仁淀川町では、豊かな自然と伝統文化が大切に守られています。



今回お訪ねしたのは、川渡の谷山です。

川渡から長者川を渡って山道を上がって行くのですが、「これぞ谷山!」というくらいあちこちに谷があり、美しい渓流や滝がたくさんありました。


谷山の谷



谷山の谷



道路わきの擁壁に咲くイワタバコ

上りきったところに「谷山大師堂」があり、縁側に松明の束が7つ、用意されていました。

火廻しは、お盆の送り火で、何百年も昔からやっているのだとか。

大師堂の前は、植林した杉が成長してだいぶん前を塞いだようになっています。

「昔は、(前が開けていたので)国道(33号)からも見えよったが・・」


夕方、6時半頃から地区の人たちが集まってきます。

たそがれてくると種火がつけられ、いよいよ7時から火廻しが始まりました。

10本ほどの松明が入った金網の籠に鉄紐をつけ、その先は太いロープに続きます。

廻し手は火をつけた松明籠のロープを握って、数回揺らして勢いをつけてから回し始めます。


大師堂の縁側に用意された松明



種火が点火され

そして、松明が燃え尽きたら次の松明に代わりますが、燃えている途中で回し手が交代することもあります。

力の入れ加減や回すスピード、握るロープの長さでいろんな火の輪が描かれます。

慣れた人では安定した大きな輪になるし、若くて力の強い人は猛スピードで回ります。



何度か揺すって勢いをつけて廻します



初めて挑戦する若者に、経験者が声を掛けます。

「下で振って勢いをつけて」

「上へ来るまで力を抜いたらいかん」

「はじめは紐を短く、次第に伸ばしていけ」


女性も頑張っていました



次は僕も、と見守っているのでしょうか


お盆で帰っていた先祖達をたくさんの火の輪が送り、7つの松明が燃え尽きると、

「また来年もやれよ」

「来年もするき」

あったかい雰囲気の中で伝統は若者に受け継がれ、火廻し行事は終わりました。

           

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