高知の祭り目次
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谷山の火廻し
向こうの山には津野町の風車がずらり
西日本最高峰の石鎚山に源を発している清流・仁淀川の中流域、川を挟んで向き合うように幾重にも山が重なっている山間の町、仁淀川町。 ここ仁淀川町では、豊かな自然と伝統文化が大切に守られています。
今回お訪ねしたのは、川渡の谷山です。 川渡から長者川を渡って山道を上がって行くのですが、「これぞ谷山!」というくらいあちこちに谷があり、美しい渓流や滝がたくさんありました。
谷山の谷
道路わきの擁壁に咲くイワタバコ
上りきったところに「谷山大師堂」があり、縁側に松明の束が7つ、用意されていました。 火廻しは、お盆の送り火で、何百年も昔からやっているのだとか。 大師堂の前は、植林した杉が成長してだいぶん前を塞いだようになっています。 「昔は、(前が開けていたので)国道(33号)からも見えよったが・・」
夕方、6時半頃から地区の人たちが集まってきます。 たそがれてくると種火がつけられ、いよいよ7時から火廻しが始まりました。 10本ほどの松明が入った金網の籠に鉄紐をつけ、その先は太いロープに続きます。 廻し手は火をつけた松明籠のロープを握って、数回揺らして勢いをつけてから回し始めます。
大師堂の縁側に用意された松明
種火が点火され
そして、松明が燃え尽きたら次の松明に代わりますが、燃えている途中で回し手が交代することもあります。 力の入れ加減や回すスピード、握るロープの長さでいろんな火の輪が描かれます。 慣れた人では安定した大きな輪になるし、若くて力の強い人は猛スピードで回ります。
何度か揺すって勢いをつけて廻します
初めて挑戦する若者に、経験者が声を掛けます。 「下で振って勢いをつけて」 「上へ来るまで力を抜いたらいかん」 「はじめは紐を短く、次第に伸ばしていけ」
女性も頑張っていました
次は僕も、と見守っているのでしょうか
お盆で帰っていた先祖達をたくさんの火の輪が送り、7つの松明が燃え尽きると、 「また来年もやれよ」 「来年もするき」 あったかい雰囲気の中で伝統は若者に受け継がれ、火廻し行事は終わりました。 麗