高知の祭り

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羽根の獅子舞 高知県室戸市羽根 (H19.10.14)


猛り狂う獅子



八幡宮の社殿と見守る人々


室戸市羽根の石清水八幡宮の秋祭りで獅子舞が奉納されるということは、かねてより聞いていましたが、獅子舞が出る年は限られているようで、まだ一度も見たことはありませんでした。

室戸市には各地区に特徴のある秋祭りがありますが、殆どの秋祭りは「体育の日」が含まれる土・日(今年は6・7日)開催で、同じ日になってしまいます。


吉良川の御田八幡宮秋祭りや佐喜浜の佐喜浜八幡宮へは行きましたが、羽根の秋祭りへは行ったことがありませんでした。

今年は、所用で6・7日がダメになりましたが、14日、朝からの晴天に誘われて室戸方面へ車を走らせました。


寝獅子をからかう女の子 左に太鼓打ち



華やかで激しい動きの舞

羽根の辺りへ来ると、もしかして獅子舞は?と気持ちが惹かれるものがあったので、神社へ寄ってみました。

「今日は数年ぶりに獅子舞が出ます。次の獅子舞は5年後になります。」

というではありませんか。

まさしく「ヤッター!」気分で、自宅まで数十キロ、カメラを取りに引き返しました。

午後1時からというのに、12時過ぎから人々は集まってきます。

獅子舞の舞台となる芝生の周りには見物人がいっぱい。

そして1時、地区の代表者の挨拶が始まりました。

今日の獅子舞を楽しみにして、一言一句、聞き漏らしたくない人たちばかり。



猛り狂う獅子


おじさん:「おらんくの獅子舞はええぞ、見ちゃってくれ!」

わたくし:「あちこちの地区から獅子舞が出るのですか?」

おばさん:「静かに!」

という調子です。


獅子の尻に乗ってしまいました



花房を和傘に替えてからかい続けます

挨拶が終わり、鼻高が舞台を守って陣取り、太鼓の音に誘われるように獅子が踊り出して来ると、大きな歓声があがります。

ひとわたり踊って、獅子が寝入ったところで、男の背に負ぶわれて「女の子」の登場。

ひときわ高い歓声と拍手。

花房を両手に持ち、身をくねらせて獅子をからかい、これでもか、これでもかと悪戯して獅子を起こします。


女の子は獅子を起こしたあとも、からかい、怒らせ、尻に乗り、と、大活躍。

激しい動きの中で、時折化粧した顔が見えると

「○○さんじゃ」

「きれいな人じゃねえ」

「踊りが上手じゃねえ」

わがことのように関心が高く、賞賛の言葉と拍手を惜しみません。


獅子舞終了後おみこしが出ました



たくさんの人がお神輿のあとへ続きました

熱演はおよそ30分続きました。

感動の拍手の中、女の子は登場したときと同じように負ぶわれて退場しました。

日頃見かけない(よそものの)私に「どうでしたか?」と声を掛けてくれた方がいました。
「見事なものです、素晴らしい!」

この獅子舞は羽根の北、山側の地区の「中川内の獅子舞」で、山仕事の安全と五穀豊穣を祈願して奉納されており、高知県の無形民俗文化財に指定されています。

獅子舞を力いっぱい踊った若者達も素晴らしかったし、受け継がれた伝統文化を誇りとしている地域の皆さんの心意気も素晴らしいと思いました。

            


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