高知の祭り

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四ッ白の太刀踊り 高知県佐川町 (H19.11.3)


太刀踊り



南を受けた四ッ白地区

佐川町の中心部からはるか北東方向、町のはずれの山中に四ツ白はあります。

日高村との境にある仏峠から南の斜面に田畑が広がり、明るい地域です。

四ツ白の仁井田神社の秋祭りでは、安全と豊作を祈願して太刀踊りが奉納されますが、この太刀踊りは320年も続いているということです。



午後2時、社殿では神事が行われ、広い境内では、数十人がきつい日差しを避けて、日陰で踊りが始まるのを待っています。


やがて神事が終わり、神殿前に並んだ踊り子達が神官さんのお祓いを受け、4本の樫の木と注連縄で囲まれた踊り場へやってきました。


神事が行われている仁井田神社



お祓いを受ける踊り子達

太鼓の合図で注連縄が切って落とされ、4本の木と注連縄が片付けられました。

いよいよ太刀踊りが始まります。

前方と後方では鼻高が警護をし、唄、太鼓、鉦、太刀3人、白いしで棒3人が位置に着き唄に合わせてまずは無手での踊りが始まりました。


黒い着物に袴・足袋。

白い鉢巻・たすき・手甲。

凛としたそのいでたちは、その昔「武士踊り」とも言われたという重厚な格式を物語っています。


太鼓の合図で注連縄が切られます



唄、鉦、太鼓、太刀3人、しで棒3人



切られて舞う紙吹雪

演目が進み、太刀、しで棒を持って踊り始めると、時折しでの先が切られ、紙ふぶきが舞い落ちます。

太刀は、全て真剣なのです。

あの紙ふぶきをうまい具合に撮りたいとシャッターチャンスを狙っているうちに、太刀踊りは終わってしまいました。


え?もう終わったの?
あっという間の10分間でした。


鳥居をくぐっての帰り道、コウヤボウキがきれいに咲いていました。

ここでなくても、どこにでもある花ですが、太刀踊りの写真を満足にとっていなかったこともあって、花にカメラを向けていると

「コウヤボウキですね。なぜコウヤボウキというか知っていますか?」

「・・・?」

「それは、高野山は竹を植えられないので、これを束ねて箒として使ったからですよ。」


鼻高が見守ります、一本歯の高下駄は?



高野山でホウキに使われるという
コウヤボウキの花


さすが、植物学者・牧野富太郎博士を輩出した佐川町です。


ひとつ知恵をいただいて帰ってきました。

             


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